5種の牌の出アガリ点がそれぞれ、1000点、1300点、2000点、2600点、3900点となる5メンチャンの牌姿は?
ドラは自由に設定して構いませんが、カンドラはなしとします。
ドラ
待ちはの5メンチャンで、
・の場合ピンフのみ1000点
・の場合はタンヤオのみ1300点
・の場合タンピンで2000点
・の場合はタンヤオ・イーペーで2600点
・7の場合ドラ含みのタンピンドラ1で3900点
問題を子細に検討すると、点数の系統が2種類あることに気づくでしょう。
1000点系のアガリと、1300点系のアガリです。
これはつまり、平和系のアガリとそうでないアガリの2系統が存在するということです。1000点は鳴いた1飜のみではないか? と考えることができなくもありませんが、1300点系(テンパネ)との連結ができませんから除かれます。
まずはここが考え方の基礎になります。
平和系は全部で3つありますが、最低点が1000点であることから「平和のみ」。そして順次「平和+1役」「平和+2役」になると。
手役だけを考えるなら、該当するのはタンヤオとイーペーコーの複合です。平和→タンピン→タンピンイーペーコーという具合です。
形としては
ですね(平和のみという条件もあるので(対称形以外は)この形以外にありません)。これにメンツと雀頭を足せばいいわけです。
さて、今度は平和系でない形を考えてみましょう。
メンゼン条件で、最低1飜、同じ牌姿の別の待ちで平和になる形となるとタンヤオとイーペーコーしか残っていません。飜牌などは平和になりませんから。で、2飜の時はそれが複合すると。
となると、平和系でのイーペーコーとタンヤオ系のイーペーコーは別のイーペーコーである(234と345とか)ということになります。もしも、タンヤオでできるイーペーコーが456で平和でも456の形だとしたら、タンヤオのアガリはタンピンイーペーコーになるでしょうからね。つまり、形が重複しない別のイーペーコーであるということが言えるわけです。
どちらかのイーペーコーは間違い、つまりどちらかはイーペーコーではなく、何か別の1飜がつくのではないか……?
といっても「別の1飜」とはもう1つしかありません。
ドラです。
つまり、上の命題は、「タンピンドラ1+タンヤオイーペーコー」か、「タンピンイーペーコー+タンヤオドラ1」か、どちらかだろうということになるわけです。
しかし、タンピンイーペーコーが正しいとすると、
の形に1メンツ1雀頭を加えて、しかも「<ここに存在しない牌及び待ち牌以外>を待ち牌とし、その牌をドラに指定」しなくてはいけません。でないと「平和系の時はドラがなく、タンヤオの時はドラがある」という状況にはなりません。
しかし、それは不可能です。
平和という手役はヨコに伸びますから。シュンツというのはそもそもそういう性能を持っているのです(デミさんの講座参照)。
つまり、ドラで待てるのは平和の形。逆に言うなら、ドラで待たない形を作れるのは、外に伸びない暗刻を使えるタンヤオ系のみなんです。
よって、手役としては、
1000点:平和のみ
1300点:タンヤオのみ
2000点:タンピン
2600点:タンヤオイーペーコー
3900点:タンピンドラ1
だと判ります。
こうなればあとは簡単ですね。上記の手牌ではイーペーコーを複合してしまうので間違いとなり、逆に単純な3メンチャンである
を基礎にすると判ります。ドラもで確定です。
で、これに8枚を加えて、
タンヤオになる
待ちが2つになる
高目イーペーコーを作る
が手牌及び待ち牌にない
ようにすればいいのです。
特に高目イーペーコーに注目して下さい。
8枚ということで単純に2メンツ1雀頭を加えてしまうと、「高目」イーペーコーになりません。
では、イーペーコーが確定しちゃってますから(笑)。
つまり、8枚は2メンツ+雀頭ではないんです。
じゃあ、雀頭は?
現在ある牌で作るしかないでしょう。
ここでやっと、
という形に気づきます。ノベタンにして、雀頭を待ち牌で確保するという考え方です。
ここまでくれば
といった、イーペーコー+雀頭の形も思い浮かぶでしょう。
あとは、これに先の3メンチャンを合わせ、なおかつタンヤオになるように暗刻を作ればいいわけです。
という形に到達できたでしょうか?
非常に煩雑な解説になってしまいました(1時間もかかった(泣))。しかし、点数計算問題はえてしてこういう地味な作業になりがちですので、仕方ありません。
本来であれば「平和形とタンヤオ系になる5メンチャン」という時点で上記の形は出てくるものなんでしょうけど、まさか「出てくるでしょう。おしまい」というわけにもいかないので(笑)。
ドラの特定方法、暗刻を使ってタンヤオイーペーコーを作る工夫など、随所に「麻雀クイズ解法の手筋」が出てきました。今後の参考になればと思います。