伏土竜の麻雀戦術論

効率編その4 役の効率

第1章 役の分類

 本編の解説に入る前に、解説に必要な役のさまざまな分類を覚えてください。
 ここに出てくる用語は、一般的には用いられていないものかもしれません。しかし、役の解説をしていくためには必要不可欠なものです。ぜひとも覚えてください。

第1項 役の性質上の分類

 麻雀の役は、そのアガリ方の系統上7つに分類されます。

1.特例     流し満貫

 この役は捨て牌が役になる唯一の役です。
 他に分類のしようもないので、あえて一つに分類しました。

2.偶然役    イッパツ・ハイテイ・チャンカン・リンシャン・リ一チ・
          天和・地和・人和

 この系統は、偶然性が役の主体になります。
 狙ってできるものではない役です。

3.一色手    ホンイツ・チンイツ・緑一色・九連宝塔

 この系統は、手牌をマンズ・ピンズ・ソウズのどれか一色にすることが役の主体になります。

4.チャンタ系  チャンタ・ジュンチャン・ホンロウ・チンロウ・国士

 この系統は、手牌を端の方に寄せることが役の主体になります。

5.対子手    トイトイ・七対子・三暗刻・三槓子・三色同ポン・
          四暗刻・四槓子

 この系統は、対子・刻子・槓子が役の主体になります。

6.字牌系    小三元・大三元・小四喜・大四喜・字一色

 この系統は、手牌に字牌を多く集めることが役の主体になります。

7.門前系    残りすべての役

 最後の系統は、門前で手牌を進めていった結果できうる系統です。この系統に対しての良い名前が見つからなかったので、あえてこのように名付けました。

第2項 役の成立条件による分類

1.全体役

 タンヤオやホンイツのように、手牌14枚すべてに条件が付く役です。

2.部分役

 翻牌やイイペイコ・サンショクのように、手牌14枚の一部に条件が付く役です。

3.門前役

 ツモ・リーチ・イーペーコーなど、門前でなければできない役です。

第3項 役を狙う順序を示す分類

1.主体役

 役には究極の目標として役満があります。
 役満にはロマン的要素があるため一概には決められませんが、配牌をもらって「何を狙おうかな」と方針を定める時点からいきなり役満を目指す人はほとんどいないと思います。
 例えば、一色手のホンイツを狙った手牌が、予想以上にその色の牌を引き込んでチンイツまでに発展し、それがさらにうまく進行してチュウレンにまで発展したり、対子手のトイトイを狙った手牌がうまく暗刻ができてスウアンコになったりします。
 つまり、目先のある程度実現可能そうな役を目指した結果が、時には役満にまで目標が発展するのです。

 このように麻雀では、大本の狙いとなる役があって、手牌の変化に伴いその役からなんらかの役へと発展したり他の役を複合させようとしたりします。
 この大本の狙いとなる役を「主体役」と言います。

 主体役には、

 の4系統6種があります。

 特殊局面では、翻牌とタンヤオ(特に喰いタン)も主体役になりえます。が、普通の局面でこの2種を主体役にしても点数的に大したことにはなりません。
 ですから、あくまでも特殊局面の場合のみの主体役、いわば準主体役とみなしてください。

 以上の6役+2役の計8役以外の役は、よほどのことがない限り大本の狙いになる役ではありませんし、してはなりません。
 その役ができなかった時に他の役でアガリに向かうことが非常に困難だから、端的に言えば効率が悪いから、です。

2.付属役

 残りのすべての役は「主体役に複合できる、または、複合させる役」と覚えてください。

3.発展役

 付属役の中でも、ホンイツがチンイツに、チャンタがジュンチャンにのように、主体役から自然に発展する役があり、これらを「発展役」と言います。
 字牌系の役は、一色手・チャンタ系・対子系からの発展役と考えてください。


 細かな実践的手順は別の機会に解説しますが、ここでは、

最初に主体役を狙うことで手牌の方向性を定め、その後から付属役や発展役を考慮する

 と覚えてください。

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