本編では、対コンピュータやインターネット上の対局ではなく、生身の人間を相手にした場合の基本的なマナーについて解説します。
マナーを知らずにいると、自分にはその気がなくとも相手を不快にさせることがあります。人と人とが対局する以上、相手を不快にさせない程度の最低限のマナーは身につけておきたいものです。
麻雀を打つ際には、牌をリズム良くツモって捨てるようにしましょう。
ツモってから捨てるまでを3秒で、遅くとも5秒くらいでできるようにしたいものです。
そうすれば対局相手を待たせて不快にさせることもありませんし、何よりも思考の連続性を保つために効果的です。
ところが、中には「ちょっと待って」などといって、10秒も20秒も時にはそれ以上も考え込む人がいます(これを一局の間に何回もやられると、たいがいの人は不快になります)。
なぜ、そんなことになるかという理由は2つ考えられます。
第一に、牌をツモるまでに何も考えていないからです。
牌を引いてから対応を考えるから遅くなるのです。
あらかじめ「この牌を引いたらこれを捨てる」「こちらならこう」とあるていど予定をたてておきましょう。
第二に、決断に迷いが多いからです。
リズムが悪くなる人の多くは、考えているのではなく迷っているだけです。
自分の決断に自信が持てないから、あっちにしょうかこっちにしょうか迷うことになり、いつまで立っても決断が下せないのです。
麻雀には、絶対の正解などありません。
いくら考えても、解らないものは解らないのです。
ならば、相手を不快にさせないためにも、打牌はリズム良く行うべきでしょう。
配牌の取り出しが自分の前の牌山になった人は、自分の手牌の整理は後回しにして、すぐにドラ表示牌をめくりましょう。
ドラがなんだか解らなければ、他の人が何もできないからです。
また、リンシャン牌が転げてどんな牌だか解ってしまうと、誰かが良からぬこと(例えば、その牌を利用してアガるためにわざと槓をする)を考えるかもしれません。
そこで、ドラ表示牌をめくる作業と同時に、リンシャン牌は下記の図のようにあらかじめ下に置いてください。
■□●□□□ |
こうする→ |
□●□□□ |
■=リンシャン牌 ●=ドラ牌
なお、ドラ表示牌をめくる・リンシャン牌を下に置く際は、片手でするのがマナーです(白砂注:主にイカサマ防止のためです)。
もし、あなたの対面の牌山が遠かったとしたら、結構取りづらいものですよね。
ならば相手も同様と考えて、あらかじめ牌山を前に出しておくようにしましょう。
牌山は心持ち右側を前にして斜めに出し、対面の人に取りやすいようにしてあげるのが良いマナーです。
自分の前の牌山がツモ巡の経過とともに少なくなって左の方へ偏ったら、真ん中に寄せて前に出してあげましょう。
自分が卓の右隅まで手を伸ばす時の苦労を考えれば、理由は言わなくても判る筈です。
手積みの場合には、牌山を5・7・5や6・5・6という風に3つに区切り、誰から見ても自分の前の山はきちんと17あることが解るようにしましょう。
全自動卓では牌が必ず17枚積みで出てきますから関係ありません(白砂注:逆に、不要にヤマに触れたと思われてしまうので、避けた方が無難だと思います)。
自分の右の方からツモるときには右手を使い、左の方からなら左手を使う人がいますが、これはマナー違反です。
手牌を扱うのも牌を引くのも、右利きの人なら右手だけで左利きの人なら左手だけで行ってください。
配牌を整理するとき、アガリや流局の際など手牌を公開する必要があるとき、以外は両手を卓上に出さないようにしましょう。
「俺は左手でツモった方が一発が来やすいんだ」
なんて迷信は金輪際捨てて下さい。ただのマナー違反です。
捨て牌は、6枚を1段としてきちんと並べましょう。
そうすれば、よほどポンチーが多くない限り、3段以内に収まります。
よく10枚も15枚もだらだらと横に並べる人がいますが、これは見苦しいだけでなく、何巡目に何を捨てたのかが解らなくなってしまいがちです。
また、捨て牌があっちこっちをを向いていたのでは、リーチを掛けたのかと錯覚してしまいます。
余計な誤解を招かないためにも、捨て牌は誰からも見やすくしましょう(白砂注:「お嬢様切り(牌を全て<相手から見て>上下を揃える方法)」をしろとまでは言いません(笑))。
皆が卓の真ん中から捨て牌を並べると、隣の人の捨て牌との境がゴチャゴチャとしてしまいがちです。
そこで、自分の前の牌山がない人(配牌のときに誰かの前の牌山はなくなるはずです)は、捨て牌の1段目を少し自分の方に寄せて、他の人にスペースを空けてあげましょう。
ツモ巡の経過とともに自分の前の牌山がなくなった人も、同様にしてください。
仮に、東一局で親が4000オールをツモアガリしたとします。
その際に、皆が4000点を1000点棒で払っていたのでは、次の局に1000点棒が必要になっても(例えば、リーチを掛けようとした、誰かに1000点をフリコミした、など)、いちいち両替してもらわなければなりません。
そんな面倒なことをしないで済むように、点棒は種類を多く持つようにしましょう。
「俺100点棒嫌いだから」とか、「コイツ嫌いだから嫌がらせに」なんてのは言語道断です。
手牌の一部をカチャカチャと音をさせて絶えず入れ替えたり、ロンアガリするときに「出ると思ったよ」などと余分なことを言ったり、本来の麻雀とかけ離れたことはしないようにしましょう。
余分なことをして相手の神経を逆なでしないようにするのも大事なマナーです。