物事の上達過程には必ず順序があります。
麻雀では、ルール・役・マナーをきちんと覚え、点数計算が正確にできるようになるまでが第1段階にあたります。
牌効率を駆使して自分の手牌をアガリに向かわせることができる。これが第2段階です。
第3段階は、「相手の捨て牌から相手の指向及び上がり点数を察知し、それに『対応』する」です。
本編から数回に渡って、この段階を解説します。
さて、
相手の捨て牌から相手の指向及び上がり点数を察知し、それに対応する
なんて細かな技術を解説する前に、大本たる「対応とはなんぞや」という話をしましょう。
麻雀は一人で黙々とするゲームとも、囲碁将棋のように対人(サシ)でするゲームとも異なり、4人でするという一大特徴があります。同じように4人で行うゲームでも、コントラクトのように源平に別れることもなく、4人がそれぞれ独自に相対します。この点が麻雀を面白くかつ複雑にしているのです。
麻雀では、4人それぞれがそれぞれの目標を目指します。
目標を的確に設置しその達成に向けて努力することが、トップにつながることはいうまでもありません。半荘単位ならトップ、一局単位ならアガリやオリ、さらには一局の途中からでも方針を変えることもあるでしょう。
しかし、一局には一つの結末しかありません。
全員がアガリという名の実を欲したからと言って、全員が食べられるわけではないのです。
時には目標を攻撃(=自分のアガリ)にし、時には目標を守備(=よけいな失点をしないようにすること)にしと、場面・局面・巡目・持ち点・残り局数・親か子かなどの諸条件に合わせて柔軟に変化させる必要があります。
このかねあいが麻雀の醍醐味の一つであり、このかねあいを麻雀では対応と呼ぶのです。