3二金戦法研究
2003.4.22
急に始まった研究企画だが、続くかどうかという保証は全くない(<をい)。
というのも、この原稿自体がいわばボツ原稿で、発表する場所がないのでここに書いちゃおうという、その程度のものでしかないのである。さすがに20ページ以上もの原稿は会報に載せられないらしい(笑)。
今回のテーマは石田流vs3二金戦法。
今でこそ新型3二金戦法や端棒銀で対抗しているが、昔はスタンダードな3二金戦法で石田流に対峙していた。残念ながら、勝率は芳しくなかった。
それはもう戦法としてこの形になるとダメになのか、それとも使い手の白砂が弱かっただけなのか。
それを深く掘り下げてみた。
形式としては、まず実戦譜でどう叩きのめされたかをご覧いただき(泣)、次に、検証としていろいろな変化を研究していく。
白砂が一人で考えたことなので、棋力や盲点による思わぬ大穴が開いている可能性も少なくない。それについては、メールや掲示板等でどんどん指摘して下さい。そこでまた新手や新形が生まれる可能性もあるし、仮にそうでなかったとしても、1つの変化として研究が補完されることになる。
第1図がその初形。
3二金戦法に対して、いきなり▲7五歩と石田流を表明した場合だ。後手は3二金戦法の心得に従って飛車先を決め、必然的に第1図となる。
第1図以下の指し手
△7二金▲7八金△8三金▲9六歩△9四歩▲4八玉△6二銀▲3八玉△6四歩▲2八玉△6三銀▲3八銀△7四歩▲同歩(第2図)
先手は一目散に玉を囲う。
この場合は▲6八銀よりも▲7八金が固い。また、▲9六歩といつでも角で7筋を補強できるようにしている。それから玉を囲っていくわけだ。単純なようだが細心の心配りである。
対して後手は、居玉のまま仕掛けにいく。
というのも、7筋の位を取られたままでは3二金戦法にとって都合が悪いのである。3二金戦法の理想形は仮想図のような陣形だが、位を取られているとこの形に組めない。そのまま黙っていては悪くなるだけなので、暴れる一手というわけだ。
第2図まで、互いにムダ手一切なしの最強手だと思う。
第2図以下の指し手
△7二飛▲9七角△7四金▲5六飛△4二銀▲8六歩(途中図)△3四歩▲8八角△同角成▲同銀△6五金▲7三歩(第3図)
白砂は△7二飛と指した。
単純に△7四同金ももちろん考えられるところで、これについてはあとで解説する。
▲9七角△7四金の2手はほぼ絶対。
ここで、▲5六飛が先手になってしまうのが後手の痛いところだ。△4二銀は仕方がないが、▲8六歩(途中図)と更に石田流の捌きは続く。
△8六同歩は▲同飛で悪いと判断して△3四歩と突いたのだが、▲8八角とされて困った。
△8二飛では▲2二角成△同金▲7七桂(変化1図)くらいで後手陣はバラバラだし、△8六歩と取り込んでも▲同飛で無効だ。だいたい、角を交換されて△2二同金という形も痛すぎる。
結局、△8八角成とこちらから角を換えて△6五金に期待したのだが、▲7三歩が全然気づかなかった軽い歩打ち。△7三同飛は飛車取りを放置して▲8四角とされ、△5六金▲7三角成△同桂▲5六歩(変化2図)くらいで後手が勝てない。
よって△7三同桂と取るしかないが、悠々と▲3六飛と逃げられてしまった。
以下は△8二飛▲8五歩△7六歩▲6六歩△7五金▲6五歩△同金▲8七銀(変化3図)と進んだ。
ここで△4五角▲4六飛△4四歩とでももたれておけばまだ判らなかったのだろうが(それでも多分ダメだと思う)、△8八歩としたため、▲7六銀△4五角に▲6五銀と食いちぎられてしまった。ここから先はいいところが全くない。
さて、どこが問題だったのか。
いくつか、というかいろいろ(笑)考えられる。次のページから、一つ一つじっくりと見ていくことにしよう。