いや、まぁ、なんというか……加藤一二三の本。
内容は大きく3つあって、一つはNECビッグローブで配信していた「加藤一二三伝説」の抜粋。滝を止めるとか食事はいつも鰻だとか、そういう話を集めたもの。特筆すべきは本人のインタビューが載っている点で、本人の言い訳(笑)が聞ける。
二つ目は自戦記。これは将棋世界で連載されていたものだと思う。間に挟まれる宗教についての話などに見覚えがある。
最後はエッセイ。宗教や音楽、将棋などについて書かれている。
全編これ加藤一二三で、ひふみんヲタの人は絶対に買い。将棋界に興味がある人は、こういう棋界随一の名キャラクターを知っておくべきだと思うので読んでおいて損はないと思う。そうでない人は……時間があれば(笑)。
最近、棋士がちょっと笑いのネタになっているきらいがある気がする。しかし、本書を読めば、本人達はいたって真剣であるという、本当に本当に当たり前の事実がよく判るだろう。将棋も知らずに「ひふみん」などと言って笑い飛ばしているだけの人達にこそ、本当は読んで反省して欲しいと思う。