四間飛車やゴキゲン中飛車でおなじみの鈴木大介が、今度は三間飛車の解説を書いた。
創元社+鈴木大介というラインナップ、予想通りの(爆)仕上がりになっている。
内容としては、三間飛車vs急戦、左美濃、居飛車穴熊の三種。
相変わらず都合のいい解説は健在で(笑)、例えば左美濃や居飛車穴熊では無防備に△7四歩と突いて飛車のコビンを攻められるとか、急戦もやや危なっかしい手順で「これにてよし」で終わったりしている。
しかし、急所は判りやすく解説されているので、取っ掛かりの一冊としては悪くないと思う。この辺り、いつものツクリという気がしないでもない。
少し気になったのは、本書は本当に鈴木大介が書いたのか? ということ。どうも今までとは文章の調子が違っているように思えるのだ。
今までの「鈴木節」は、文体というよりは手順が豪快というか粗雑というか、まぁそこはそれいいじゃん振り飛車が勝てば、みたいな感があったのだが、本書の場合、手順というよりは文体でその豪快感を出そうという雰囲気がむんむんしている……気がする(笑)。いや、それだけ形容詞を使えるようになったと言えばそうなのかもしれないが、それよりはむしろゴーストが鈴木大介感を出そうとしてすべりまくった結果に見えるのだ。まぁ、いまさらゴーストを問題にするのもなんかどうでもいい気がするが、少し気になったので。