まえがきに「定跡を覚えたい時や忘れた時に、辞書を引くように気楽に研究できる」とあるように、完全に定跡のカタログを目指した本。しかも、局面を仕掛け周辺に絞っているので、類似形を研究しやすい。
カタログに徹しているので、読みやすく理解しやすい。類似形をいくつも出すことにより、定跡の指し手の分岐(たとえば対振り飛車の棒銀の仕掛けでの△3三桂と△4五銀など)も直観的に頭に入ってくる。狙いを絞った分、うまくまとめている感じだ。
ただ。
古い(爆)
仕方がないことなのだが、昭和62年の本。矢倉に▲2九飛戦法が載っているような本である。
残念ながら、おそらく現在ではあまり役に立たない。
それでも、初段前後までの人には、定跡を勉強する上で「辞書」のように役に立つことは間違いない。もちろんそこから先のフォローも大事なのだが、幹となる定跡は長い年月の間さほど変わってはいない。
逆に、4段以上の人間は読む価値なし。断言(笑)