駒の動かし方から始まって、序盤・中盤・終盤にどのような目標を持って指せばいいか(玉を固める、駒を成る、など)の概論と各論、この辺りまでで大体120ページくらい。そこから先は囲いと戦形のガイドと手筋の紹介、次の一手が合わせて70ページくらい、といったところか。
書名の通り全ページオールカラーで、191ページで1,000円というのは頑張った価格なんだろうな、とは思う。ただ、この本の対象者が見えない。
すべての漢字にルビを振っているところからも、小学生程度を対象としているのだろうなということはなんとなくわかる。しかし、であれば「攻めの拠点を作る」とか「攻守のバランスに優れた」なんていう表現をするのはどうなんだろう。もう少し他の言い回しがあってもいいように思う。
どうも、子供向けとは言いながらも、将棋を知っている人がその知識で作ってしまった本、という感じがする。
内容は悪くない。特に、レベル2、3辺りの「序盤中盤終盤でやるべきことが違って、それぞれの目標に合った指し方をする」という解説は、ただ手筋を並べるよりも親切だしわかりやすいだろう。
前述のことからも、むしろ大人の入門者が読むべき本だと感じた。