3手詰と5手詰だけを集めた本。『週刊将棋』の下の段にある「詰将棋入門」から持ってきている。
結論から言うと、この本は初級者が読んでも「実戦に役立つ」ことはない。
一度でも『週刊将棋』の「詰将棋入門」を解いた人なら判ると思うが、この詰将棋、3手詰はかなり特殊な線駒の使い方をする。難易度で言ったら「詰パラ」などの方が数段上なのだが、一般の詰め将棋本に比べたらよっぽと「そっち寄り」の問題ばかりだ。そんなものを解いていったところで実戦にはほとんど役に立たない。もちろん「解いたことによる棋力上昇」とは問題が別である。ここで言っているのはあくまでも「こんな詰み筋実戦じゃ出ねぇよ」という話だ。
一方、3手詰の「凶悪さ」に比べると、5手詰の方はまだ素直に作ってある。
なので、もし間違って(笑)買ってしまったり立ち読みした級位者の方がいたら、5手詰から解くことをお勧めする。
5手詰で基本詰手筋と自信(笑)を養ってから、マニア向けの3手詰に挑戦すればいいだろう。
あと、巻頭の詰め手筋の解説は役に立つ。短いながらうまくまとめられており、詰め将棋初心者には一度でいいから目を通しておいて欲しい内容となっている。