新・対局日誌 第5集 升田と革命児たち

作成日:2002.04.30
新・対局日誌 第5集
著者 :河口 俊彦
出版社:河出書房新社
出版日:2002-04-01
価格 :¥914(2024/09/02 11:58時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

プロ棋士でもある著者がプロ棋士の日常風景を記していく人気の(?)シリーズ第5作。時代は平成2年から3年というから、今(2003.1)より12、3年前の話ということになる。それなのに読んでいて面白いのは、やはり題材のよさなのだろう。
プロ棋士の何気ない言動も楽しいし、取り上げられている将棋はどれも「なんかいい」将棋ばかりだ。読み物としても棋書としても楽しめる。本書はそんな稀有な本である。

個人的には、コラムでも取り上げた大山の▲6九銀が印象に残っている。こんな凄い将棋は他にないし、こんなドラマを作れる棋士は大山しかいないだろう。
その他にも、羽生が順位戦で叩きのめされる話(笑)や藤井の奨励会時代の話、石田-加藤戦の泥試合など、見所を挙げていったらキリがない。

肩に力を入れて読む本ではないが、できれば一気に読んで欲しい。臨場感が違ってくるだろうから。