東大将棋シリーズが今度は三間飛車に進出してきた。
ここのところプロの三間飛車の採用も増えているようだし、アマチュアでは石田流を含めていまだに人気戦法の一つである。待っていた人も多いんじゃないだろうか?
で、第一巻はというと……
古いよ
今時真部流ってなんだよ……。
いや、中田功も本を出してるけど、やっぱ中田といえばXP。この△6四銀型は真部流だと思う。で、この指し方が出たのは昭和の頃。なにしろ『居飛穴なんかコワくない』に出ているのだから相当昔だ。
いまさらこんなこと解説されてもなぁ……。
まぁ、古い定跡をさらっておくのは大事なことだし、ひょっとすると新手もいくつか入っているのかもしれない。しかし、どうにも読んでいて新味がなかった。
どうせだったら、最近流行りの急戦定跡とか、XPとか、石田流とか、そういう方面で攻めて来てくれた方がよかった。厭な表現を使えば、本書は「とりあえず出した」感が強い。
余談を一つ。
真部流の場合、振り飛車が玉側の桂を跳ねるか跳ねないかが意外と悩ましかったりする。△8五桂の端攻めがあるために跳ねておきたい気がするが、前出の『居飛穴なんかコワくない』では、玉が弱くなるし、それより重要な手があるので跳ねない方がいい、となっていた。
ところが、誰だったか忘れたが、ある学生強豪は桂を跳ねる派だったらしい。
氏によると、まず真部流に組んで桂も跳ねる。で、機を見て△8五桂と端攻めに桂を跳ね出し、空いた7三に△7三銀と引いて玉を固めるんだそうな。この4枚美濃は相当固いので、穴熊にも攻め合い負けしないらしい。
白砂が学生の頃に又聞きで聞いた話なのだが、△7三銀という手の感触は今でも覚えている。
なんの参考になるか判らないが、ま、余談ということで(笑)。