1手3手5手の詰め将棋本。
ドリルってなによ? と思って、開いてみて意味がすぐに判った。確かにドリルだ。
基本的な詰め手筋を抽出して紹介する形式で、問題形式と捉えない方がいいかもしれない。何度も「見て」覚えるタイプの本だ。
詰将棋は難しいという話をよく聞くが、「詰パラ」みたいなのは置いといて、将棋世界や週刊将棋の詰将棋クラスであれば、既存の詰め知識があればほとんどが数分から十数分で解くことができる。まぁそこまで行くための本ではないが、その第一歩として、「10分で解ければ初段」くらいの詰め将棋であればさっくり解けるような知識を得るための本である。
実際、一手詰という形を紹介する詰め将棋本はあまりないので、本当の初級者の方でも十分に「モト」が取れると思う。別に本書のガイド通りに□にレ点を埋めていく必要はないが、そのつもりで何度も読み返すことだ。そうすればきっと詰め将棋の知識は身についていく。
段クラスの人なら、本書を手にとるのは時間のムダ。いくら手筋を知るためとは言ってもさすがに易しすぎる。『5手詰ハンドブック』辺りからにするのがいいだろう。