看寿賞というものをご存知だろうか?
『詰将棋パラダイス』という詰将棋専門雑誌で、その年のもっとも優れた作品に対して贈られる賞である。昔は「その年の全ての作品に」だったのだが、10年前くらいから「その年の『詰パラ』誌掲載の作品に」と変更になってしまった。いろいろ事情があるのだろうが、なんかプライドを捨てた感じで厭な気分になったのを覚えている。
そんな話はさておき、そういう「ベスト作」ばかりを集めた本なので、ハズレの筈がない。自然な実戦形から趣向作、超長手数作までありとあらゆるジャンルの作品が揃っている。この一冊で、詰将棋は全て判ると言っても過言ではない。
解説がもう少しついていればなぁ……とも思うが、この内容だけに仕方がないのかもしれない。この作品群のよさが判るのであれば、立派な詰将棋マニアだと言えるだろう。