いわゆるエッセイ集というやつで、将棋界のいろんなことについて面白おかしく(というとちょっと否定的なニュアンスになっちゃうのか)書いている。昔「将棋世界」の編集長だっただけあってそのテの裏話には事欠くことはなく、それで「週刊現代」という将棋と全然関係ない雑誌でも連載ができたんだろう。
面白く読めたのだが、個人的にはちょっと著者がうるさい(笑)感じがした。こういう読み物の場合、書いている当人というのはあんまり表に出てこなくていいと思うのだ。もちろん、受け止めたことを書くわけだから著者が前に出ないと始まらないのだけれど、この本の場合、なんだか個人の自慢話を聞いているような感じになってちょっと厭だった。まぁ、ホントに個人的な話なんだけど。
それから、この本には高橋和のことが書いてある。その原稿を書いた時に既につきあっていたのか結婚の約束をしていたのか、そんなことを考えながら読むとより楽しめると思う。