2001

奇襲大全

奇襲大全 新版
著者 :森 ケイジ
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:1999-03-01
価格 :¥200(2024/08/31 22:23時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

他に解説のしようがないが、変態戦法ばかりを集めた本である。

それぞれの戦法には味があるが、残念にことに変化手順の説明に乏しい。カタログとしての機能を優先させたためだろうから仕方がないのだが、実際に載っている戦法を使おうという場合には困るかもしれない。その辺が「伝説」シリーズとの違いである。

少し話が変わるが、昔、将棋部の後輩が「強豪と対戦する時、一発勝負で奇襲を指すのはよくない」と会報に書いていた。その文章を読むとずいぶんと私に気を使っているようで、というか私に文句を言われないようにいろいろと予防線を張っている様が読み取れて笑えるが、私もまったく同じ意見である。相手が強豪だからこそ、自分が普段指している、自分が一番信頼を置いている戦法にすべてを委ねるべきではないだろうか。
そういう意味で、私はこの本を「ここに載っている将棋を指せ」と薦めるわけではない。むしろ、その対策としてこの本を活用すべきである。そうしてこそカタログ的な本書の構成も生きるというものだろう。

なお、この本はB6版となって改編されている。内容は薄くなったがおかげでより一層カタログっぽくなっていて、かえってお買い得かもしれない。

作成日:2001.07.20 
奇襲・変態戦法

村山聖名局譜

村山聖名局譜
著者 :羽生 善治
出版社:マイナビ出版(日本将棋連盟)
出版日:2000-11-01
価格 :¥7(2024/08/31 16:13時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

羽生と先崎という同世代の棋士が、「怪童 村山聖」の棋譜を解説した本。対談形式になっており、これはかなり作るのが大変だったのではないかなと思った。
企画自体が棋士にスポットを当てているというものなので、そういうのが好きであれば一度目を通しておくのも悪くないと思う。裏話的なものもいろいろ入っているので楽しめるだろう。
個人的には、村山企画は「おなかいっぱい」な感じがするので一度しか読んでいない。正月の藤原竜也で燃え尽きた(笑)。

作成日:2001.07.20 
実戦譜集

谷川vs羽生100番勝負 最高峰の激闘譜!

谷川vs羽生100番勝負: 最高峰の激闘譜
著者 :日本将棋連盟書籍
出版社:マイナビ出版(日本将棋連盟)
出版日:2000-09-01
価格 :¥3,080(2024/08/31 20:35時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

今後の将棋界がどうなっていくかわからないのでなんとも言えないのだが、谷川と羽生、というのは、現代に残った最後のライバルなのかもしれない。もう、他の棋士をこうやって○○vs○○、という風にあおる(笑)ことはできないだろう。
そんな両者の対局のみを集めた実戦譜集である。

踏み込んでいくタイプの両者であり、かつ、第一人者同士の戦いである。棋譜がそのまま定跡になった、なんていうことも少なくない。そういう意味では、歴史を探るという面だけでなく、定跡を勉強するという点からも意味がある本だろう。
解説もそこそこ多いので、初段くらいあれば盤駒を出して読めると思う。少し古い本ではあるが、一度は目を通してみてほしい。

作成日:2001.07.20 
実戦譜集

先ちゃんの順位戦泣き笑い熱局集

先ちゃんの順位戦泣き笑い熱局集
著者 :先崎 学
出版社:マイナビ出版(日本将棋連盟)
出版日:2000-07-01
価格 :¥106(2024/08/31 20:33時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

著者の文才が余すところなく生かされている本だと思う。
いろんな意味での連載ものの「縛り」から逃れて、好きなことを好きなだけ時間をかけて書いた感じがする。白砂はあんまり著者を評価していないのだが(すんません)、それでも、十分に面白く読めた。

ただ、ちょっとツクリが豪華すぎる気がする。もう少しチープな作りにして、値段を1,200円くらいにすればもっと売れたのではないだろうか。こういうのって、そんなに何回も読み返すようなものではないんじゃないかなぁ……と思うので。

作成日:2001.07.20 
実戦譜集

康光流四間飛車破り 居飛車穴熊vs藤井システム

康光流四間飛車破り: 居飛車穴熊VS藤井システム (パーフェクトシリーズ)
著者 :佐藤 康光
出版社:マイナビ出版(日本将棋連盟)
出版日:1999-02-01
価格 :¥20(2024/08/31 14:50時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

佐藤自身の実戦から居飛車穴熊対藤井システムの将棋をピックアップし、振り飛車破りの奥義を伝授する本。

……というと聞こえはいいが、申しわけないが白砂には「売らんかなの本」にしか見えない。ホントに申しわけないが。
やっぱり、白砂は実戦譜集に対しての評価が低いんだと思う。それは否定しない。でも、「ここで▲7七桂としたのは疑問で、▲7七銀は少しおかしかった」と言われて、その後の変化がさらっと流されて、その疑問の後の指し手がえんえんと続くというのは納得できない。
いや、そういう本も必要だとは思う。しかし、わざわざ「康光流振り飛車破り」と、トッププロの名前を挙げておきながら実戦譜だけでお茶を濁すと言うのはなんだかイヤだ。もっとも、実戦譜集はトッププロの名が冠されていなければ誰も買わないだろうから、仕方がないのだが。
研究は若手、トッププロは実戦譜、というのはなんだか寂しい。せっかくトップにいるのだから、その研究を見せて欲しい。でもまぁ、研究は若手の方が熱心か……(笑)。

作成日:2001.07.20 
実戦譜集
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