2001

相振り飛車の正体

相振り飛車の正体
著者 :宮崎 国夫
出版社:木本書店
出版日:2000-07-01
価格 :¥3,960(2024/08/31 20:08時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

 高い。

とにかく高い。なんでこんなに高いんだ。

非常に高度な内容であり、力作であることは認める。しかし、3,600円はなんぼなんでも高すぎると白砂は思う。

内容は、相振り飛車の実戦181局を集めてそれに詳細な解説を加えたものである。しかし、いきなり実戦譜が並ぶので、相振りの「形」を知らない級位者は読んでも意味がないだろう。
また、図面は少なく、全編を指し手が覆う(笑)。盤駒は必須である。初段前後の人は辛いかもしれない。
本書はあくまでも、「更なる研究用」の本だと思う。

もう少し値段が安ければとも思うが、例えば半額に下げたとしても2倍の売れ行きにはならないだろう。そう考えるとこの価格設定は仕方がないのかもしれない。
むしろ、実戦集をサブにして定跡講座をした方が売上は伸びそうな気がするのだが……。

作成日:2001.07.20 
相振り飛車

実戦の振り飛車破り

実戦の振り飛車破り
著者 :郷田 真隆
出版社:マイナビ出版(日本将棋連盟)
出版日:2000-07-01
価格 :¥108(2024/08/31 16:24時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

てっきり定跡書だと思っていたのだが、郷田の実戦譜を元に振り飛車を攻略する方法を解説するというものだった。なので「対振り飛車」ではなくてこちらに入れている。

実際のところ、実戦譜を元に振り飛車破りを解説するというのがどれくらい役に立つかは疑問だと思う。白砂自身が「本で将棋を覚えた」タイプだから仕方がないとも思うのだが、その辺がどうも判らない。
特に、郷田である。
まぁ、郷田だから実戦譜を見たいという要求もあるのだと思うが(そしてそれが発刊の理由だと思うのだが)、できればトッププロであれば理論的な定跡として振り飛車悪しを証明して欲しい。
「振り飛車悪し」は少々おおげさだが、本のコンセプトが振り飛車破りなのだから、それくらいはしてもいいんではないだろうか。

郷田の本、ということで期待したのと、そのギャップが大きいためにやや点が辛くなっているのかもしれないが。

作成日:2001.07.20 
実戦譜集

森下の矢倉

森下の矢倉
著者 :森下 卓
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:1995-05-01
価格 :¥150(2024/08/31 20:33時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

森下8段の出した矢倉の実戦集。
なんで買ったんだろう……。

たぶん、花村9段の弟子、ということで、森下8段には注目していたのだろう。棋界通なら「花村の平手千局ぶつかり稽古」はよく知っているだろう。

内容はと言えば「実戦集」としか言いようがなく、自戦記が50局と棋譜がたーんと載っている。
これを並べて、それで急所をつかんで理解できる棋力の人には薦められる。もちろんそんなのは高段者に限られるだろうから、そのために評価はこうなっている。
実戦譜はこういうものだということは判っているのだが、級位者にも判りやすい実戦譜というものはないのかなぁと、本稿を書くにあたってちょっとだけ考えさせられた。

作成日:2001.07.20 
実戦譜集

東海の鬼

東海の鬼 花村元司伝
著者 :鈴木 啓志
出版社:マイナビ
出版日:2012-02-14
価格 :¥2,174(2024/08/31 16:24時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

花村9段追悼記念として出版された本である。
随筆と実戦譜解説で綴られており、特に実戦譜は花村流の面目躍如で十分に楽しめる。勉強として読むのではなく、楽しむために読んでほしい。

個人的に一番気に入ったのは米長の書いた文章。

花村九段は下戸で、酒は全然飲めないらしい。ところが珍しく呑んで酔っ払って、みんなが麻雀をしている横で寝入ってしまった。
ところが。
しばらくすると突如「キョウコ、イクヨ」と叫んだらしいのだ。
寝言である。ちなみに、京子とは奥さんの名前。一体どんな夢を見ていたんだか……。
ところがところが、麻雀を打っていた面々、後ろで見ていた米長らは花村九段の体内、というか体外の異変に気づく。なんと、その寝言と共に「夢精」をしたというのだ。時に花村50歳。
「50にしてこの若さ。あの元気な大先生がこんなに早く逝く(白砂注 シャレか?)とは私にはとても信じられないことであった」
と、米長の文章は結ばれている。

作成日:2001.07.20 
実戦譜集 読みもの

花村流実戦将棋

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花村九段の書いた自戦記。
ファンだから買っただけで、そうでなければ単なる自戦記として読みもしないだろう。1976年の本である。題材も古い。
ちなみに、私はこれを帯広の古本屋で買った。新婚旅行の最中である。
その時は確かなんやかやで5,000円分くらいの古本を買ったと思う。ついでに言うと、その時に買った一番怪しい本は『幻のツチノコを探せ』である(爆)。

作成日:2001.07.20 
実戦譜集
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