2001

雁木でガンガン!!

雁木でガンガン: 破壊力抜群の痛快必殺戦法 (森内優駿流棋本ブックス)
著者 :小暮 克洋
出版社:主婦と生活社
出版日:1999-10-01
価格 :¥522(2024/09/01 06:56時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

雁木戦法はアマチュアなのでそこそこ見かけるが、その定跡本となると数えるほどしかない。本書はその珍しい雁木本の一冊である。

内容はとにかく雁木有利で貫かれており(笑)、どこに穴があるのかはわからないが非常にウソ臭い(爆)。とはいうものの、実戦で何度か指せば「こんなはずじゃなかった」と気づくのだろうが、指さない人間がさらっと読んでいるだけなのでちょっと突っ込んだコメントはできない。もうしわけない。
とはいえ、雁木特有の攻めの手筋や手厚さについてよく書き込まれており、定跡書としてではなく手筋解説書として読めば効果は高いと思う。ようは「この通りに指して雁木必勝」なのではなく、「この形になればこの手筋が利く」というていどに話半分に聞けということである(笑)。

けなしてばかりいるようだが、このシリーズ共通の「将棋の面白さ」が良く出ているので、得意戦法がなくて困っているような人は一度指してみるのもいいだろう。雁木そのものがマイナー戦法なので、そこそこハマってくれそうだ。

作成日:2001.07.20 
その他の居飛車

棒銀一直線

棒銀一直線: 将棋がもっと楽しくなる
著者 :週刊将棋
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:1994-08-01
価格 :¥588(2024/08/31 22:02時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

棒銀の本である。以上

……では紹介の意味がないので(笑)もうちょっと詳しく言うと、棒銀の本(爆)。
いやホントに。
いろんな種類の棒銀が紹介されている。原始棒銀に始まって矢倉、対振り飛車、相掛かり、はては変態戦法まで盛りだくさん。

いっぱい紹介されているので一つ一つの戦法の変化の底が浅いのがやや難点だが、十分「読んで楽しめる」本になっている。
指されてしまって困る……と思うのであれば、一読することを強く勧める。

作成日:2001.07.20 
居飛車全般

秘法 巻之四 右玉伝説

右玉伝説: 右玉の秘法を伝授 (MYCOM将棋文庫 17)
著者 :毎日コミュニケーションズ
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2003-08-01
価格 :¥198(2024/08/31 22:07時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

古来の右玉と言えば腰掛け銀模様からの右玉だったが、現代では「負けにくい」というコンセプトから、さまざまな種類の右玉が登場している。本書では、そのうち風車系の右玉と矢倉中飛車の右玉について解説している。

非常に限定的な形でしか解説していないのでややウソっぽい感じもするが(笑)、決まったときの破壊力は感じ取れる。ただ、やはり玉が薄いことは薄いので、受け好きの人に向いていると言えるだろう。
個人的には、3二金戦法を指している関係もあって右玉は好きなのだが、やはり人に薦めるのはちょっと……と思う。本自体はいい出来なので買っても損はない。

作成日:2001.07.20 
中飛車 その他の居飛車

秘法 巻之壱 雁木伝説

雁木伝説: 雁木の秘法を伝授 (MYCOM将棋文庫 2)
著者 :毎日コミュニケーションズ
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2002-11-01
価格 :¥99(2024/08/31 22:07時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

調べたわけではないのでくわしくは知らないが、雁木戦法の歴史は相当に古いものらしい。にもかかわらず、プロの公式戦で雁木戦法が指されることはほとんどない。なぜなのだろうか?

……知らない(<をい)。

冗談はさておき、というわけで、雁木はプロ間ではあまり指されない。しかし、アマチュアでは別だ。小暮氏を筆頭に雁木愛好家は意外と多い。
これまた理由は定かではないが、推察するに「自分の土俵に引きずり込む」効用が大きいものと思う。振り飛車党はそんなこと考える必要もないのだが(笑)、居飛車党の場合、特に後手番での指し方に困る。矢倉は勝率が悪いし、角換わりや相掛かりも同様だ。しかも、それらの戦形はすべて「日頃から研究してよく知っている」必要がある。そんなこと仕事が忙しいアマチュア愛棋家にはできるわけがない(いや、立派にやっている方ももちろんいますよ)。
そこで「定跡はずし」のひとつとして、雁木戦法がクローズアップされるわけだ。
相手は不慣れだし、こちらは右四間っぽく攻めるだけとコンセプトはとっても簡単。棋力はあっても情報戦で遅れをとる社会人アマ棋士にはもってこいの戦形だろう。

本書は、そういったアマチュアのために書かれている。豊富な変化と詳細な解説は読んでいて理解しやすい。図の使い方もアクセントが効いている。これは『伝説シリーズ』共通の特徴だろう。
社会人はもとより、学生将棋でも通用する居飛車党の切り札になりうる戦法だ。

作成日:2001.07.20 
その他の居飛車

谷川の21世紀定跡 1.角換わり編

谷川の21世紀定跡 1 角換わり編
著者 :谷川 浩司
出版社:マイナビ出版(日本将棋連盟)
出版日:2000-11-01
価格 :¥86(2024/08/31 16:55時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

谷川が角換わりについての最新定跡について解説している本。「1.」とついていることからも他の戦法について著す可能性は大きく、となると『羽生の頭脳』の谷川版を目指しているのではないかとも思われる。
実際、中のツクリは『羽生の頭脳』にソックリである。最初に「光速の見解」という大まかな指標があったり、レイアウトも酷似している。もっとも、これは将棋連盟の本作りのパターンかもしれないのでなんとも言えない。

内容は非常に高度であるが、初手から指し手の意味を解説する部分もあったりと、初段前後の人が読んでも理解は可能だろう。また、△6五歩型の解説書はおそらく本書くらいしかない(最近の流行なので、他の本はカバーしていないと思われる)ので、高段者で角換わり腰掛け銀を指す人にとっては必携の書と言える。

全体的に谷川の定跡本「らしい」作りになっているので、買っても損はないだろう。
白砂はこういう将棋は指さないから図書館で借りたけど(笑)。

作成日:2001.07.20 
相掛かり・角換わり
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