升田式石田流
言わずとしれた奇襲の王様「升田式石田流」を、本人が解説した(本当は違うのだろうが)のが本書である。
大体こういう「高段者が解説した本」というのにはロクなのがないのだが、この本はなかなかきちんと書いてある。変化も丁寧だし、実戦に生じそうな場面を多く用いている。
私が升田式を使っていたということもあるが、経験から言っても良書である。高段者はすでに常識のジャンルだろうから改めて読む必要はないだろうが、初段くらいまでの人は是非読んでほしい。
こんなに薦めておいて★★★はちょっと点が辛いが、何しろ昭和48年の本である。要は「古い」のだ(1994年に復刻されている)。
現在では升田式の対策も進んでいるし、升田式も進化している。それらの進化については別の本を参照してもらうとして、おおもとの下敷きとして本書を読んでもらえればいいと思う。