2001

森内俊之の戦いの絶対感覚

森内俊之の戦いの絶対感覚 (最強将棋塾)
著者 :森内 俊之
出版社:河出書房新社
出版日:2000-02-01
価格 :¥1,400(2024/09/01 00:57時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

<%CustomURL(448,『佐藤康光の戦いの絶対感覚』,)%>の森内バージョン。こうなると、藤井や丸山あたりのバージョンも欲しいところだ(笑)。

 佐藤のそれと同じく、非常に高度なことをやっている。ただし、個人的な印象なのだが、森内の方が若干「もみあい」の局面が多いので、読んでいてわかりがいい。佐藤本の方が抽象的な局面が多かったように思う。題材の選出自体が棋風の違いなのだろうか。
 佐藤本同様の内容なので、やはり級位者には辛い。2、3段クラスでないと理解はできないと思う。

作成日:2001.07.20 
総合

佐藤康光の戦いの絶対感覚

佐藤康光の戦いの絶対感覚 (最強将棋塾)
著者 :佐藤 康光
出版社:河出書房新社
出版日:2000-01-01
価格 :¥1,484(2024/08/31 16:00時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

序盤中盤終盤の各局面での考え方について、佐藤康光の考え方を解説していくことによって習得しようという内容。『読みの技法』の佐藤先生特別レッスン版といえばいいだろうか。

非常に高度な内容なので、有段者でないと理解できないかもしれない。懇切丁寧に解説しているようでいて、基本的な大局観などは「すでに持っているもの」として解説しているので、基本ができていない人が読んでもきっとチンプンカンプンだと思う。そういう意味では非常に読者を選ぶ本である。
もっとも、佐藤の大局観を解説してもらっているわけなのだから、簡単なわけがない。これは仕方がないというものだろう。

作成日:2001.07.20 
大局観

イナズマ流逆転術

イナズマ流逆転術
著者 :森 ケイジ
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2000-07-01
価格 :¥419(2024/08/31 16:00時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

『終盤の魔術師』森9段が書いた「逆転術」の解説書。

……と聞くと面白そうなのだが、実戦での逆転劇を見せられても、それを体系化できんのかい、という疑問が残る。まぁ、本書はそこそこうまく分類整理している方だと思うので、読んでいて苦にはならない。

ただ、苦にはならないのだが、立ち読みならいいけど買うほどでもないなぁ……というのが本音である。申し訳ない。

作成日:2001.07.20 
大局観

将棋の公式

将棋の公式 復刻版
著者 :加藤 治郎
出版社:東京書店
出版日:2000-12-01
価格 :¥1,650(2024/08/31 20:21時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

これを知っている人は相当古い人か、さもなくば「通」であると断言する。

『将棋は歩から』の加藤治郎名誉九段(確か亡くなってこうなったと記憶している)の、1981年の著書である。
内容は『将棋は歩から』に劣らず高度なもので、将棋を指すうえでの基本的な考え方を講義している。こういう類の素材は時が経っても色あせるものではなく、また、加藤名誉九段の将棋に対する姿勢も手伝ってか、現在でも立派に通用する内容になっている。

将棋とは高等数学である。
そして数学とは、公式を組み合わせて解いていくものである(というか、数学を判りやすくしているのが公式である)。
プロが短時間の読みでも最善手を逃さないのは、この公式に基づいて考えているからであり、弱い人が長く考えても悪手を指すのはこの公式が理解できていないからである。
だからこそ、定跡や寄せなどの「末端」の知識よりも、将棋の「本質」に直結する公式を理解するべきである。

……と、長くなったがこれが本書の基本姿勢である。
目次を見ればそれが判るだろう。
本書では公式を大中小に分け、大型公式と中型公式について解説している。内訳はそれぞれ、

  • 大型公式
    • 数の公式
    • さばきの公式
    • 位取りの公式
    • 陽動の公式
    • 死角の公式
    • 焦土の公式
  • 中型公式
    • 成りの公式
    • 各個撃破の公式
    • 手得の公式
    • 駒得の公式
    • 良形と悪形の公式

となっている。
言葉だけでは意味がわかりにくいものもいくつかあるが、有段者であればなにを言わんとしているかは判るはずだ。これだけ重要な問題をまるまる一冊かけて丁寧に解説してくれるわけである。
また、『将棋は歩から』もそうなのだが、棋書には珍しく二色刷り&横書きである。図面が本物の盤駒と同じ色というのも凄いし、横書きの棋書なんてこの本くらいだろう。これは想像だが、先に出た「将棋は高等数学」を意識してのことと思われる。
これを見つけたのは、確か大和の古本屋だったと思う。古本屋での値段は400円だったが、その何十倍分もの知識をこの本からはもらった。

おそらくほぼ間違いなく絶版だと思う。こんな良書を埋もれさせるとは、一人の愛棋家として本当に情けない限りだ。

付記:本書は2000年に復刻された。一人の愛棋家として本当に嬉しく思う。

作成日:2001.07.20 
大局観

読みの技法

読みの技法 (最強将棋塾)
著者 :島 朗
出版社:河出書房新社
出版日:1999-03-01
価格 :¥448(2024/08/31 20:21時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

島八段が出題する局面について、羽生・佐藤・森内の三者が自分の「読み」を披露する。局面は漠然としたものが多く、次の一手のように厳然たる正解が存在するものではない。つまり、トッププロの三者が「実戦でどう読んでいるか」が正直に書かれているのである。
実際にその局面に出会った時、どういう風に読みを展開していくのがいいのか。棋風の違いなども考慮しつつ読むと読み物としても楽しめる。

このシリーズは全体的に有段者向けに書かれているので級位者には辛いかもしれないが、それでもできれば手に取ってほしい。
もちろん、有段者は必携である。

作成日:2001.07.20 
大局観
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