東大将棋ブックス矢倉道場 第6巻 森下システム 続
前書が最新のスズメ刺し対策を述べたものであるのに対し、こちらはスズメ刺し以外の対抗策を解説している。
必然的に「昔の指し方」の解説が中心となっている。少し損をした気分だ(笑)。出版社側(敢えて著者は、とは書かないことにしよう)としては「古き皮に新しい酒を注ぐ」つもりだったのだろうが、それにしては新しい酒があんまり見当たらなかったように思う。この辺、白砂は振り飛車党なので事情がよく判らない。3年くらい前なら、『現代矢倉の○○』を読んでにわか矢倉定跡党になっていたんだけど……。
今までの森下システムを知らない人には参考になるかもしれない。また、少しではあっても全く新手がないわけではない(と思う)ので、最新を追いかけたい人はやはり持っていて損はない一冊だろう。
こういう乱暴な言い方をしていいものかどうか判らないが、こちらが森下システムを指して、相手が前書のような指し方をしてきたらそれは有段者だ。初段前後くらいの人同士の対局だと、むしろ本書の範囲で戦うことが多いと思う。
そう考えれば、一応パラパラとめくって変化をさらっておくのは悪くないことかもしれない。
もっとも、そういう用途であればもっといい本はあるわけなんだけど(笑)。