2003

ゼったい詰まないZの法則

Zの法則: ゼったい詰まない終盤の奥義 (MYCOM将棋文庫 21)
著者 :日浦 市郎
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2003-11-01
価格 :¥29(2024/08/31 18:54時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

どちらかというと体系化されておらず(笑)、ダラダラと続く印象を持った。
ただ、終盤でZ(「絶対詰まない形」のことをZと言うんだそうだ)の形を作る、外すというのは現代将棋の終盤の定跡となりつつあるので、そのコンセプトを学ぶという意味では役に立つだろう。

もう少し編集のしようがあったと個人的には思うのだが……。題材がいいだけにもったいない。

作成日:2003.11.14 
終盤・寄せ

鉄壁! トーチカ戦法

鉄壁!トーチカ戦法 (パワーアップシリーズ)
著者 :三浦 弘行
出版社:マイナビ出版(日本将棋連盟)
出版日:2003-10-01
価格 :¥1,430(2024/09/01 00:32時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

トーチカというかミレニアムというか西田スペシャルというか、要するにその形の解説をした本。2001年の升田幸三賞を受賞した著者が解説している。
内容はまぁ藤井システムvsトーチカということで、それ以外は当然ながら、なし(笑)。
▲6六角型と▲6七金型の2つの形がテーマになっている。

『島ノート』『最前線物語』で解説はされているが、まるまる一冊トーチカという本は初めてだ。そういう意味では貴重な一冊ではあるのだが、どうも定跡書にありがちの「ひいき」をしているような気がする。
例えば、△5二飛と中飛車に振り替えて戦う指し方、例えば穴熊にもぐる指し方。特に、▲6六角型は振り飛車がむしろ有望な変化が多かったような気がするのだが、その辺については素通りに近い。穴熊に組み替える形も、なんか最後にちょっと付け足しておしまい、といった感じになっている。

せっかくトーチカの専門家が本を書くのだから、そういう部分については客観的に書いてほしかった。専門家であり使い手だからこそ肩入れしてしまうというのは判らなくもないが、例えば加藤の棒銀本は非常にその点では客観的に形勢判断や最善手の応酬をしていたと思う。まぁ思い入れは人一倍どころか人十倍くらいはあるんだけど(笑)、でも、第一人者だからこそ正当に判断を下せるもんじゃないのか?

新手の数や体系的な解説についても『島ノート』や『最前線物語』の方が判りやすかった。なんだか実戦解説を読んでいるようで、定跡書という感じがしない。
トーチカを指してみたい! という人の「はじめの一歩」としては薦められるが、一通り理解したら前述の2冊でフォローするのが賢い方法だと思う。

作成日:2003.11.05 
四間飛車

歩の玉手箱

歩の玉手箱: 楽しく読める手筋の宝庫 (MYCOM将棋文庫 20)
著者 :桐谷 広人
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2003-10-01
価格 :
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

歩についての解説書は『将棋は歩から』にとどめを指す……と白砂は常々思っているのだが、本書は『将棋は歩から』に比べるとかなり判りやすい内容になっている。

形式としては、歩の手筋を分類・解説するという『将棋は歩から』と全く同じものなのだが、部分図を多く取ったり「文章的な解説文(伝わりますかねこの感覚)」を少なくしたりとカタログに徹する努力をしている。歩の手筋の分類も新たに増やした。
初級者、中級者は一度読んでおいて損はないと思う。

ここだけの話、不利な時に逆転するコツは歩をうまく使うことだ。どうせ不利なのだから駒も気楽に捨てられるし、相手は歩なので挨拶するかどうかで悩む。なんとなく歩を使われると「手筋っぽくやられてる」という気にもなるし(笑)。
というわけで、逆転の秘策として読み込むのも悪くないだろう。

作成日:2003.11.04 
手筋

振り飛車ワールド 第5巻

振り飛車ワールド 第5巻
著者 :毎日コミュニケーションズ
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2003-09-01
価格 :¥898(2024/08/31 15:25時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

すっかりおなじみになったシリーズ第5弾。
インタビューが大内ってどーなのよ?(後々のために書いときます。このあと、なんだか殴打事件とかあって話題になりました) って気もするんだけど(笑)。

ガチンコ勝負は右▲4六銀。かなり薄い形なのだが、それを補うスピードがあるので振り飛車党にとってはうるさい形だ。名人戦などでも出た形だが、その辺は素通り。
今回は、なかなか見ごたえがあったと思う。

また、今回から「符号で見る振り飛車」企画が始まった。例えば6五であるとか、その「升目」にスポットを当て、手筋を紹介するというものだ。
……続くのか、これ?

千葉の講座は相変わらずだし、バンカナたんの写真も相変わらず2枚だし(笑)、その辺は変わっていない。

巻末のおまけのようなページ(定跡信ずべし、信ずべからず)が、今回は大山特集だった。
一言でいうとネタ切れだと思うのだが(<をい)、なかなか面白かった。

作成日:2003.11.04 
振り飛車全般

東大将棋ブックス四間飛車道場 第12巻 続・居飛穴

四間飛車道場 第12巻 (東大将棋ブックス)
著者 :所司 和晴
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2003-08-01
価格 :¥209(2024/09/01 00:32時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

第11巻に続く居飛車穴熊編。
今度は先手が▲9六歩と端を受けた形を解説している。前著と同じく藤井システムではないので、後手は△4四銀型。これを指す人にとっては待望の著だろう。

大きく▲7八金と▲7九金に分かれ、それぞれに100ページ近く割いている。△4四銀型自体がかなり単調な戦法であるためか、そんなに変化は多くない。この東大将棋の編集でも、だからなんとか読めると思う。自分は1回しか読んでないけど(爆)
それでも、初段くらいはないと苦しいだろう。

作成日:2003.11.04 
穴熊
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