2006

羽生の法則 Volume5 玉の囲い方

羽生の法則 Volume5
著者 :羽生 善治
出版社:マイナビ出版(日本将棋連盟)
出版日:2006-06-01
価格 :¥7(2024/09/01 12:49時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

今までの4冊は「駒の手筋」を解説した本だったが、今度はもっと大きな視点で見た、今までのシリーズとは違う中級者向けの本ができた。
タイトル通り、玉の囲い方についてカタログ的に解説している。

「振り飛車」「矢倉」「相居飛車」といった具合に大まかに戦法を分けて、そこで出てくる囲いについて紹介している。
解説されているのは「囲いができるまで」で、囲った後の攻め筋や囲いの攻略法などは載っていない。思いっきり身も蓋もない言い方をすると、序盤だけが延々と続く本だ。そういう意味では「退屈な本」と思われてしまうかもしれない。

しかし。
『将棋世界2006.8』の勝又講座のように、プロでは序盤の数手にも気を使っている。
本書は、形をカタログ的に駆け足で紹介することによって、「こういう形になると、このあとはこういう囲いになるんだよ」という未来図をいくつも示してくれる。これは、前述の講座ほど細やかで専門的ではないが、序盤の駒運びというものに目を向ける効果がある。雑になりがち、自分のことばかり考えがちな初級者中級者にとって、「相手がこうやってくるならこっちはこうしよう」という将棋の面白さに気づかせてくれるという点で、本書は立派に役に立つだろう。

作成日:2006.07.08 
全般

ゆめまぼろし百番

ゆめまぼろし百番
著者 :駒場 和男
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2006-06-01
価格 :¥3,518(2024/09/01 14:20時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

「宗看をも凌ぐ難解作を作る(by.竹本健治)」と言われる、昭和を代表する詰将棋作家駒場和男氏の待望の作品集。出る出ると聞いてから随分と待たされました(笑)。

内容はもう読んでいただくより他ありません、としか言いようがない。氏の数々の代表作が次々と出てくる。加えて氏の作品は、本手順だけではなく変化紛れ全てを並べて初めて味わえる作品が多いので、一読しただけではその真価は判らない。とりあえず解説を読んではみたものの、これからじっくりと楽しませていただきます。

全くの偶然なのだが、実は、ふいに欲求が湧き上がり、5月に横浜市立図書館で『近代将棋』の「詰将棋トライアスロン」をコピーしてきたところだった(まぁ、真の目的は三宅正蔵の必死講座だったのだが)。あの連載も非常に面白かったので、できればこちらも単行本化して欲しいところだ。

作成日:2006.07.08 
詰将棋

これなら実力初段 読みの感覚・次の一手

これなら実力初段: 読みの感覚・次の一手 (MYCOM将棋文庫SP)
著者 :武者野 勝巳
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2006-01-01
価格 :¥474(2024/08/31 16:44時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

次の一手を集めた本。毎コミ文庫の一冊である。

本の厚さを見れば判るが、なかなかにボリュームがある。問題数も多いし、序盤中盤終盤とまんべんなく載っている。

本書のウリと思われる「モニター方式」とやらについては、さっぱり判らなかった。
というか、それに実効性があるかどうかが疑問なのだ。
いろんな傾向の問題を解いて総合的に棋力を測る、ということなのだろうが、そんなことは別に珍しくもなんともないし、問題なのはそもそも次の一手を解答することでどれだけ本当の棋力が判明するかで、そんな小手先の部分の統計は無意味(とまで言っちゃうと極端だが)だと思う。

とはいえ、これだけの問題量だ。一つ一つの問題も結構面白い。初段くらいまでの人なら一度は読んでみるのもいいかもしれない。
有段者は常識の範疇だろうから、そんなに役に立たないと思う。

作成日:2006.03.31 
次の一手

棋士瀬川晶司 61年ぶりのプロ棋士編入試験に合格した男 サラリーマンの挑戦!

棋士瀬川晶司: サラリーマンの挑戦! 61年ぶりのプロ棋士編入試験に合格した男
著者 :日本将棋連盟書籍
出版社:マイナビ出版(日本将棋連盟)
出版日:2006-01-01
価格 :¥502(2024/08/31 16:44時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

日本将棋連盟発行の言わば「瀬川事件公式ブック」。
身内が出版しただけのことはあって、米長会長や発起人? の一人である野月、理事の森下といった面々が寄稿している。また、『将棋世界』の観戦記をまとめたものや、過去29局の実戦解説など、「将棋を知っている人へ向けての瀬川本」であることが見てとれる。
本人のインタビューなどもあるし、数ある瀬川本のうちどれを買うかとなれば、白砂は迷わず本書を推す。

まぁ、買う必要があるかと訊かれるとあれなのだが……(笑)。

作成日:2006.03.31 
その他 読みもの

詰将棋実戦形パラダイス2

詰将棋実戦形パラダイス 2
著者 :詰将棋パラダイス
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2006-02-01
価格 :¥1,025(2024/08/31 16:44時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

『詰将棋パラダイス』に掲載された3~15手詰の実戦形を集めた本。内訳は、3~7手詰が40問、9~11手詰が55問、13~15手詰が10問となっている。

とはいえ、3手詰は数えるほどしかないし、13手以上は問題数が少ないということで、実際は7~11手詰の本と考えるのがいいだろう。
実戦形ということで、詰パラ特有の「変な問題」はない。
ただし、結構骨のある問題が多いので、スラスラ解いていく……というわけにはいかないと思う。
「てごわい詰将棋」という、あまりない領域の貴重な本だろう。

作成日:2006.03.31 
詰将棋
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