言わずと知れた「塚田スペシャル」。本書は、その本家である塚田八段が自ら著した本である。
もうすでに古い戦形と言えるかもしれないが、だからこそ、初段以下の居飛車党には読んでほしい。相掛りの基本的な変化が詳解されている。
突然だが、この本と『中原流相がかり』は実は私のものではなく、塚本から借りたものである。
私の場合、先手なら▲7六歩、後手なら△3二金と指す手は決まっているのだが(笑うな)、▲7六歩に△8四歩とされると困る、という話を夏合宿の時に塚本にした。そうしたら「そんなの▲2六歩に決まってるじゃないですか」「白砂さんは相掛りみたいな薄い玉の将棋合ってますって」というので、入門書として借りたのである。
居飛車素人が一から覚えた経験から言わせてもらえば、非常に役に立った。
過去の戦法なので現在では(塚田スペシャルは)役には立たないが、相掛りの入門書としては自信を持って薦められる一冊である。
個人的なことで申し訳ないが、塚本にはこの場を借りて礼を言っておく。
ありがとう。