米長邦雄著(たぶんホントに書いてはいないと思う)の奇襲戦法シリーズ第1弾。
▲7六歩△3四歩▲8六歩という仰天の出だしから、飛車を6筋に回って軽くさばく戦法である。7七桂戦法と似ている形だが、7七桂戦法は6筋の歩は位と考えるので交換はしない。角頭歩戦法はあくまでも軽いさばきが身上の戦法である。
とにかく図面が多いのがこのシリーズの特徴で、ほぼ2手ずつ、ときには1手ごとに図面が入る。1冊まるごと図面だらけである。
これをうざったいと感じるか盤駒なしで読めるのでラクだと考えるかは人それぞれだろうが、棋書を盤駒とともに読んだことのない私には非常に読みやすかった。
都合のいい指し手に終始する場面もなくはないし、ひどい時には実戦譜を1局紹介しただけで「……よって先手よし」となっている場合もあるが、まぁ仕方がないだろう。それよりもコンセプトを伝えることに重点が置かれているので、形を覚えればそれで十分である。
指してみるのも面白いかもしれないが、しょせんは奇襲戦法なので高段者には通用しないと思った方がいい。