内容としては、坂田流、袖飛車穴熊、相振り飛車での代表的なうっかり手筋を扱っている。ただし、創元社であり、かつ著者が小林健二である。多くを期待しない方がいい(<をい)。実際、『消えた戦法の謎』や『奇襲大全』の域を出ていない。
ただ、考えてみると、『消えた戦法の謎』も『奇襲大全』も絶版である(『奇襲大全』は平成版が出たけど、はたして手に入るものかどうか……)。それを考えると、本書の存在意義も出てくるかもしれない。
この欄では正直がモットーなので言ってしまうと、白砂は本書を図書館で借りたのだが、それで十分だと思った。それくらい底が浅い。もちろん、白砂が上記2冊の本を読んでいたから……というのが前提としてあるのだが、それにしてもちょっと。もう少しオリジナリティーを出してもいいと思う。
高段者にとっては常識的な話だろうから、一度目を通せばいいと思われる。逆に、阪田流? なに? という人だったら買い。袖飛車穴熊も指してみるとそこそこ面白いし、見てみても損はない。