駒別に手筋を紹介する本。週刊将棋に連載されていた記事を編集しなおしたものだ。
連載時には(図略)が多かったので、図面が入っただけでもありがたい(笑)。
内容は意外と高度で、基礎的な部分は『羽生の法則』などに任せて応用に徹したということなのだろう。「よく見る手筋」というよりは、「意外な手筋」を集めた感じがする。そのため、白砂くらいの棋力でも十分に面白く読める。もちろん、話のマクラとして簡単な(すぐに気づきそうな)手順のものも紹介しているので、級位者でも安心して読めるだろう。
とりあえず上巻ということで、歩香桂銀の手筋を解説。下巻は金角飛玉ということか。
今までの毎コミ手筋本というと「1項目見開き2ページ」というのが通例だったのだが、本書では「1項目4ページ(見開き2つ分)」となっている。正直言ってはじめはとまどったのだが(<なぜ?)、読み進めていくうち、個々の解説にはこれくらいのボリュームがあっても問題はない。むしろこれくらいの方がいいなぁ……と180度印象が変わってしまった(笑)。
実戦的な手筋を満載する毎コミらしい本だ。