決定版 石田流新定跡

作成日:2005.02.10
決定版 石田流新定跡:ライバルにひとアワ吹かす必勝戦法! (スーパー将棋講座)
著者 :鈴木 大介
出版社:創元社
出版日:2005-01-01
価格 :¥142(2024/09/01 06:24時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

「あの」鈴木大介の創元社本。それだけでなんとなく察しがつくが、その通りの豪快な内容になっている(爆)。

内容は「▲7四歩早仕掛け」「棒金」「居飛車穴熊」の3つ。
最初の▲7四歩は、▲7六歩△3四歩▲7五歩△8四歩▲7八飛△8五歩▲7四歩という仕掛けのもの。『将棋世界』の「盤上のトリビア」でも紹介されたし、そのちょっと前に『近代将棋』で、それを読んだ白砂がコラムでも紹介している。
『東大将棋ブックス石田流道場』では、この仕掛けは△4四歩という軽い受けがあってムリ、という結論だったのだが、本書では石田流成功となっている。よくよく読み比べてみると、『石田流道場』では▲6五角としていたところを本書では▲5六角と深く引くようになっており、『石田流道場』での受けはうまくいかないということになっている。
どっちが正しいのかは自分の目で見て確かめてほしい

棒金と居飛車穴熊は、いずれも『島ノート』で紹介したような形。
確かヅラノートは棒金優勢だったと思うのだがその辺は素通り(笑)。居飛車穴熊はダイヤモンド美濃が優秀、という結論だったので、これは同じ結論だ。

『石田流道場』の紹介で書いたことなのだが、石田流はやはり独特の形とか間合いがあって、少し苦しそうに見えるけどこの形になれば勝負形、というパターンが結構ある。
もちろんプロの目で見れば実際は苦しいのだろうが、アマチュア同士の叩き合いならそうとも言えない。「攻められている」「受けさせられている」「美濃囲いが固くて寄せが見えない」など、居飛車側にプレッシャーとなる要素が多いからだ。そういう意味では、本書くらいざっくり解説してくれた方が、石田流魂(笑)が判りやすく理解できるのでいいのかもしれない。

初段、2段くらいまでの石田党は絶対に買い。▲7四歩の変化が気になる有段者も買い。その他の人は、パラパラと見るだけで十分だろう。