将棋の基本戦法

作成日:2001.07.20
将棋の基本戦法
著者 :松田 茂行
出版社:日東書院本社
出版日:1987T
価格 :¥49(2024/08/31 21:31時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

さまざまな将棋の戦法について、基本的な駒組みの部分までをわかりやすく解説した本。

非常に古い本である。昭和53年初版発行だ。
なので、取り上げられている題材は古い。有段者でも今の若い人は「新旧対抗」なんて知らないだろう。それほど古い。

この本のすごいところは、前書きで堂々と「これは作った手順です」と宣言していることだ。初めて読んだ時には気が触れたかとも思ったが(笑)、続きを読んで納得。ようするに、「初心者には、正しい指し方を提示して『形勢不明』とするよりも、ウソの指し方であっても理想を展開して『有利』とした方がいい」という考え方らしい。
これは、非常に優れた考え方だと思う。
いや、今までのいわゆる「高段者の定跡本」というやつも、そういう考えでウソ手順を載せていたのかもしれない。しかし、それを「言わない」のではサギでしかない。それをきっちりと明確にしたところが本書の(発刊姿勢の)素晴らしさである。初級者、中級者にものを教える時にはこうありたいものだ。