小学生名人戦というのがある。年1回、NHKで放送しているので見たことがある人も多いはずだ。また、谷川8段と羽生少年・森内少年が一緒に映っている映像や写真を見た方もいるだろう(本書にも載っている)。
その「小学生名人戦に出よう!」というコンセプトで作られたのが本書である。発行は当然(?)スポンサーの小学館。
当時の最新定跡(石田流・ゴキゲン中飛車・相掛かり3六銀戦法・矢倉3七銀戦法)の解説や次の一手などもあるが、メインはあくまでも「小学生名人戦に出よう!」。なので、羽生や渡辺のインタビューやプロ棋士へのアンケート、大会当日の様子、小学生名人戦の棋譜解説などが見所である。
小学生名人になった、あるいはいいところまで行った子供の中には、プロになっている人がかなりいる(上記リンクから歴代優勝者も見られます)。よって、大会に出ようと思う子供はある程度プロへの憧れもあるわけで、その需要をうまく掬い上げた本だと思った。
いくつか気になったプロ棋士の言葉を載せておく。
一つでも面白いと思ったら、騙されたと思って本書を手に取ってほしい。
小学生名人戦に出ようと思っている子供たちにメッセージを。
勝負だけの楽しさは、おそらく将棋の魅力の半分もない。勝負とは違った面白さに気づいてくれると嬉しい(羽生)←羽生らしいコメントだと思う。
コラムでの一言
小学生の皆さんには「本など読んでないで、指して、指して、指しまくれ!」とアドバイスしたい(田村)←これは本だ(笑)。
人とは違った勉強法について
棋譜を書き写していました(森下)←見えるようだ(笑)。
「小学生将棋名人戦」に勝つための勉強法は?
得意戦法を持つこと(武市)←さすが筋違い角の権威。
同上
詰め将棋を盤に並べて、ただし動かさずに解く(伊藤明日香)←お父様の詰将棋は上達の妨げになると思います(笑)。
大会で戦うときの心構え
詰将棋の本を一冊持って行き、対局前に1問1秒の速さで解き(注:常日頃やっている本なので、当然解答は頭に入っている、ということだと思う)、自分は強いと思い込む(室田伊緒)←いおたんカワイイ。
「小学生将棋名人戦」を戦うみんなへプロ棋士からのメッセージ
普段の練習の成果を発揮する絶好の機会です。皆さんが実力を100%出されることを願っています(谷川)←さすが人格者。