羽生の法則 Volume 6 仕掛け

作成日:2014.08.04
羽生の法則 Volume6
著者 :羽生 善治
出版社:マイナビ出版(日本将棋連盟)
出版日:2007-03-01
価格 :¥37(2024/08/31 16:50時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

法則シリーズのラストは「仕掛け」。

「まえがき」では、さまざまな戦形の攻め方の基本を紹介する、というようなことが書いてある。ラインナップを見ると確かにその通りで、内容はこんな感じになっている。

  • 矢倉
    • 先手が▲4六角▲3六銀▲3七桂の理想形を作れた場合
    • ▲3七銀戦法の基本。▲5八飛で一手得の形
    • 脇システム
  • 振り飛車
    • 石田流角交換型
    • メリケン向かい飛車
    • 先手藤井システム
    • 後手三間飛車▲3七桂急戦
    • 後手四間飛車①▲4五歩早仕掛け
    • 後手四間飛車②▲左4六銀
    • 後手四間飛車③▲3八飛(▲6八金直が入ると鷺宮定跡)
  • 角換わり
    • 木村定跡
    • ▲7九玉△3一玉型の腰掛け銀
    • 棒銀で銀交換
    • 棒銀で端攻め
  • 相掛かり▲3七銀△4四角
  • 横歩取り
    • 8五飛戦法山崎流
    • 相横歩取り

ただ、ラインナップは確かにこうなっているのだが、それぞれの変化は乏しく、さほど網羅的というわけでもない。一番うまく行く変化を1つ紹介、くらいの感じである。
個人的には、振り飛車の紹介でいきなり石田流でしかもいきなり角交換の変化というのはどうかと思ったし、次がまたメリケン向かい飛車というのも、なんというか本筋なのかそれ? と思ってしまった(笑)。もう少し考えようがあるよねぇ……。

あと、そもそも「仕掛け」と言っているのだから、仕掛けの局面から始めた方がよかっただろう。初手から並べるのはハッキリ紙面のムダだ。そこは割り切って、変化や戦形を増やした方がもっとよかった。

全体的に、なんか薄い本(←違う意味に取らないように←意味が判らない方は気にせず飛ばしてください)という感じ。2段くらいであれば、ほぼ常識の範疇といってよく、本書を読む必要はほとんどないだろう。初級者がいろんな戦形を一渡りするのにはいいと思う。