『週刊将棋』の「詰将棋ロータリー」に掲載された作品をまとめたもの。この「詰将棋ロータリー」は短手数ながら結構骨太の問題も多く、毎週楽しみにしているコーナーである。ましてや伊藤果。これを全問解くのは結構大変だった。
初形はとっつきやすいし、趣向作もさほど多くないので、詰将棋鑑賞用というよりは将棋力向上の素材としていいと思う。3~4級の人から、3段くらいまでの人まで、幅広く楽しめるだろう。
作者が伊藤果でもあり、合駒、特に中合いとか移動合が結構出てくる。それにヤマを張って解くというのは邪道だが(笑)、頭の中で盤駒をキッチリ動かすいい訓練にはなると思う。そういう意味でもトレーニング向きの素材といえるだろう。
通勤電車の中で3問、寝る前に1問と、少しずつでもいいから頑張って解いてみてほしい。そういう意味では、常に手元に置いておきたい1冊である。