元ZONEヲタ現乃木坂46ヲタの大平が解説した中飛車本。ハロヲタの白砂からすると敵以外の何者でもないな(<違う)。
初手▲5六歩からの先手中飛車に限定して解説している。
内容はこんな感じ。
- 先手中飛車の理想形
- 5五の位を取って、5六銀で支える形。玉は美濃囲い。……という、中飛車の理想形について解説している。その形を作ることが目標であり、後手はそれを阻止するんだ、という流れで本書は進んでいく。
- 5筋不交換・△7三銀型
- 先手が5筋の位を取った形から、後手が△7三銀△6四銀と角頭を攻めて来る形。
- 5筋交換型
- ▲5五歩△同歩▲同○として捌いてしまう指し方。
- 後手居飛車穴熊
- 難敵居飛車穴熊。先手はガンガン攻める。
元々形を絞っているせいか、とても内容が濃く感じる。それでいて、随所に「ポイント」「注意」といったワンポイントがあるため、読んでいて判りやすい。
また、中飛車を指すにはどのような心構えで行くべきか、という点についても度々触れているので、中飛車党になりたい級位者は参考になると思われる。単純な定跡や変化の解説に終わっていない。
細かいことを言えば、編集で押している「指し手を示す矢印」はいらないんじゃないかなぁ、とか、いくつか「ですます体」が変に混じってたなぁ、とか、端歩の解説は序章に入れちゃった方がスッキリしたかなぁ、とかはあるが、本当にその程度。個人的にはフォントや図面の大きさ、行間に至るまで、どんぴしゃのどストライクで、とても読みやすかった。
確か著者は居飛車党だった気がするのだが(笑)、そんなことを全く感じさせない良書だと思う。これから中飛車を指してみようという人は絶対に読んでみて損はない。