四間飛車道場 第10巻 急戦vs穴熊

作成日:2003.05.21
四間飛車道場 第10巻 (東大将棋ブックス)
著者 :所司 和晴
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2003-04-01
価格 :¥1,320(2024/09/01 14:20時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

穴熊シリーズも佳境に入り、今度は対急戦。5七銀左、5七銀右、棒銀と、てんこもりのお得な一冊である。
どちらかというと居飛車有利の変化が多い解説になっているが、これは仕方がないことかもしれない。なんとなく少し不利なまま終盤を迎えて逆転、というのが穴熊のパターンだし。ただ、場合によっては寄せまで変化を掘り下げているので、穴熊の寝技が威力を発揮する場面は限られてきそうだ。

変化の流れとしては、通常の四間飛車vs急戦と比べてどーよ? という感じになりがちなので、目新しさは感じられない。一応、今までにない形や新手も紹介しているのかもしれないが、そういうわけであるのかどうかよくわからない。もっとも、まえがきで「あまり進歩していない云々」と書かれていた(と思う)ので、実際に目新しくはないのだろう。

有段者は常識の変化が多いと思うが、まぁ持っていて損はない一冊だと思う。級位者は『史上最強の穴熊 1.急戦編』とか『秘伝 穴熊王』でも読んでいた方がよっぽど役に立つ。