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清水市代の将棋トレーニング

清水市代の将棋トレーニング (NHK将棋シリーズ)
著者 :清水 市代
出版社:NHK出版
出版日:2006-02-01
価格 :¥109(2024/08/31 18:31時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

NHK将棋講座の内容をまとめた本。本には「加筆修正」と書いてあった気がするが、NHKの録画時間は10:23~12:00までとしている(こうするとちょうど指し初めから録画される)ので、真偽のほどは判らない。

一読して、かなりいいんじゃないかと思った。
中盤の手筋や寄せの局面を抽出して、手筋を紹介するというまぁありふれた本ではあるのだが、それなりにきっちりとまとまっている。もう少し強くなるためのステップアップコラムのようなものも用意されていて、初級者が中級者になるにはちょうどいい難易度になっていると思う。

確か昔の『近代将棋』だったと思うのだが、「上達法はなにか?」という記事があり、そこで「▲7六歩より頭金」と結論されていた。小難しい序盤よりは、詰める詰められるというスリリングな終盤を体験する方が上達の早道である、ということだ。そのとき、著者も同様のことを言っていたように記憶する。
本書は、そんな著者の哲学にピッタリ沿った内容になっている。入門書としては申し分ない。

作成日:2006.03.31 
手筋

瀬川晶司はなぜプロ棋士になれたのか

瀬川晶司はなぜプロ棋士になれたのか
著者 :古田 靖
出版社:河出書房新社
出版日:2006-03-25
価格 :¥1(2024/08/31 18:54時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

まったく外部の目から見た瀬川事件の本、という感じ。正直、最初の感想は「誰こいつ?」というものだった(笑)。プロフィールや著書を見るに、いわゆるルポライターとかに分類されるのだろうか。
非常に事件ライクというか無味乾燥というか(←褒めてます)、よくあるビジネス本と同じような文体、体裁である。最初にドラマチックな場面を描写して、いったん最初に遡ってから時系列を辿るといった手法はよく見る。図書館に行けば336あたりに山と置いてある(という表現をして果たしてどれだけの人が判るのか大いに疑問だ(笑))。
そのため、将棋を知らない人が読むのには適している。白砂なんかは逆にちょっと「どぎつい」印象が強くてダメだった。『Number』の記事のような浸り具合、といってしまうとかえって判りづらくなるか……。

かなり取材をしていることは確かなので、将棋界マニアの方は一度目を通すことをお勧めする。

作成日:2006.03.31 
読みもの

将棋定跡最先端 振り飛車編

将棋定跡最先端 振り飛車編
著者 :所司 和晴
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2006-03-01
価格 :¥150(2024/08/31 15:51時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

以前「居飛車編」を出版していたが、今度は「振り飛車編」。
「最先端」、という言葉通り、最先端の変化が盛り込まれている。

四間飛車、中飛車、三間飛車、向かい飛車、相振り飛車のそれぞれについて、形を絞って深く解説している。
網羅的にというわけにはいかないが、そのかわり掲載されている形については十分なページが割かれているわけだ。これはこれでなかなか潔い選択だろう。

四間飛車▲4六銀戦法やXP、ゴキゲン中飛車▲3六銀型など、「知りたいがあまり解説されていない戦形」を取り上げて

作成日:2006.03.31 
振り飛車全般

3・5・7手実戦型詰将棋

3・5・7手実戦型詰将棋-基本手筋をマスターし、級から段へ (池田書店 将棋シリーズ)
著者 :飯野 健二
出版社:池田書店
出版日:2006-03-02
価格 :¥1,045(2024/08/31 16:01時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

奨励会幹事をしていたこともあり、普及に熱心な著者が書いた詰将棋本。
3手詰を60問、5手詰を60問、7手詰を40問、計160問の詰将棋が掲載されている。

非常に易しかった。
詰将棋が苦手な人向けと言えるかもしれない。一応7手詰まで入っているので、詰将棋慣れしてからもそこそこ楽しめると思う。そういう意味ではコストパフォーマンスはかなり高いのではないだろうか。

詰将棋ではなく詰め将棋、を地で行く感じで、それをどう感じるかによって評価が分かれる本だろう。個人的にはその姿勢は評価する。
ただ、ちょっと装丁が「ダサい」感じがした。ページ周りのグレーの使い方とか、駒のフォントとか、ちょっとしたこと少しずつがなんとなくしっくりこない。長くは眺めていられない気がする。もちろん、これは個人差がある話なので実際に手にとって確かめてほしい。

本書がスラスラ解けるようなら、『5手詰ハンドブック2』に手を出し、最後に『詰将棋実戦形パラダイス2』に手を伸ばす。読んでいくなら、こんな順序だろうか。

作成日:2006.03.31 
詰め将棋

奇跡の一手 サラリーマン・瀬川晶司が将棋界に架けた夢の橋

奇跡の一手: サラリーマン・瀬川晶司が将棋界に架けた夢の橋
著者 :上地 隆蔵
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2006-03-01
価格 :¥96(2024/09/02 11:59時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

いっぱい出た「瀬川本」のうちの一冊。元奨励会員であり、『週刊将棋』の編集者でもある著者が書いた「瀬川事件」の顛末である。

内容としては周知のものであり、さほど目新しいものはなかったと思う。なにしろ瀬川本はほとんど同時に読んだもので(笑)、どうも印象が薄いのだ。
『瀬川晶司はなぜプロ棋士になれたのか』は、純粋に外からの目で書かれたもののように見えるし、『棋士瀬川晶司』は内部の人間がまとめた本である。本書は、図面や棋譜を一切使わないことで将棋を知らない人間に配慮しつつ、内部から優しい視線をもって書かれた本だと思う。

正直、わざわざ蔵書に加える本だとは思わない。白砂は将棋のことと将棋界のこととはイコールではない、と考えているので。瀬川事件があったことは知っていていいだろうが、そのために本を手元に置いていつでも振り返るようにしておく必要は感じない。
もちろん、将棋界も好きな人であれば、是非とも揃えておいた方がいい一冊だ。

作成日:2006.03.31 
読みもの
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