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東大将棋ブックス四間飛車道場 第14巻 藤井システム封じ

四間飛車道場 第14巻 (東大将棋ブックス)
著者 :所司 和晴
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2003-12-01
価格 :¥866(2024/08/31 15:52時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

おなじみの東大将棋シリーズ。今回は「藤井システム封じ」。これだけだと意味が判らないが、要するに早めに▲3六歩と突いて急戦を匂わせて、△6二玉とさせてから穴熊に組みに行く形のことである。
▲3六歩と突く形は昔からあったが、現在ではシステム側の形が4三銀型なので、従来の3二銀型とは違う攻防になる。最新の形であり、当然『島ノート』よりも詳しく解説されている。システム党も穴熊党も、目を通しておいて損はない。

惜しいのは、やはり体裁だろう。
形を決めて突っ込んで解説する、というのがこのシリーズの方針なので仕方がないのだが、それならそれでどうとでもできると思う。特に、今回は目次だけ見ると1章なのに解説が数ページとか、なんじゃそりゃあという構成になっている。
せめて、深く研究する部分については目次も深くしてほしい。その方が絶対に読みやすい。変に目次の体裁も統一しようとするからおかしくなるのだ。「1-3-2-4 ▲2四歩に△6五歩」となったっていいじゃん。それくらい深い部分なんだよと判るんだから。

それと、改めて思った。
このシリーズの体裁が悪い理由は、やはり「文字を書く行数」が少ないからなのだろう。
例えば、分岐があったとして、
1.▲5五歩 2.▲9九玉 3.▲9六歩
と書くのと、

  1. ▲5五歩
  2. ▲9九玉
  3. ▲9六歩

と書くのとでは「見やすさ」が違う。
しかし、後者の方が「行数」を喰う。おそらくそのためだろう、このシリーズの書き方は前者に統一され、そして非常に読みづらい。

解説を増やせというわけではなく、その見せ方をなんとかしてくれと言いたいのだが、行数を詰めることしか考えていないようなので、この部分が改善されることはきっとないだろう。
そうして、読みにくい本がどんどん出版されていく(笑)

作成日:2004.01.05 
穴熊

東大将棋ブックス矢倉道場 第6巻 森下システム 続

矢倉道場 第6巻 (東大将棋ブックス)
著者 :所司 和晴
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2003-11-01
価格 :¥198(2024/08/31 21:08時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

前書が最新のスズメ刺し対策を述べたものであるのに対し、こちらはスズメ刺し以外の対抗策を解説している。

必然的に「昔の指し方」の解説が中心となっている。少し損をした気分だ(笑)。出版社側(敢えて著者は、とは書かないことにしよう)としては「古き皮に新しい酒を注ぐ」つもりだったのだろうが、それにしては新しい酒があんまり見当たらなかったように思う。この辺、白砂は振り飛車党なので事情がよく判らない。3年くらい前なら、『現代矢倉の○○』を読んでにわか矢倉定跡党になっていたんだけど……。
今までの森下システムを知らない人には参考になるかもしれない。また、少しではあっても全く新手がないわけではない(と思う)ので、最新を追いかけたい人はやはり持っていて損はない一冊だろう。

こういう乱暴な言い方をしていいものかどうか判らないが、こちらが森下システムを指して、相手が前書のような指し方をしてきたらそれは有段者だ。初段前後くらいの人同士の対局だと、むしろ本書の範囲で戦うことが多いと思う。
そう考えれば、一応パラパラとめくって変化をさらっておくのは悪くないことかもしれない。
もっとも、そういう用途であればもっといい本はあるわけなんだけど(笑)。

作成日:2003.12.24 
矢倉

振り飛車ワールド 6

振り飛車ワールド 第6巻
著者 :毎日コミュニケーションズ
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2003-11-01
価格 :¥584(2024/09/01 09:48時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

もう6冊めか……。すっかりお馴染みになったなぁ。

今回は全体的に内容は盛りだくさん。
インタビューが谷川と櫛田。あ、太文字は普通逆か(笑)。まぁでも、ある意味正しい強調かも。もうインタビューする人がいないのかなぁ。
指定局面対局はミレニアム。初の持久戦ということで、なかなか面白かった。最新の攻防、というわけではないが、振り飛車側がどう指せばいいか、といった指針のようなものがなんとなく判る。
あとのコラム&エッセイはいつもの布陣。
鈴木大介の講座は石田流vs棒金で、久しぶりに役に立つ講座を書いたなをい、って感じ。正直、升田式の解説ってどーなん? と思ってたので(笑)。石川の符号講座は飛車特集。ちょっとむりがないかこれ。
千葉の講座は最新藤井システムの攻防。相変わらずの濃い内容だ。そのほか、ミレニアム退治の手筋集もあったりして、何度も言うがかなり「お得感」のある一冊となった。

……最後に。
これは被害妄想、というか加害妄想なのかもしれないんだけど、一つ謝っておきたい。

バンカナの写真、
一枚になってました。

作成日:2003.12.24 
振り飛車全般

将棋ガイドブック 日本将棋連盟公式

将棋ガイドブック: 日本将棋連盟公式
著者 :日本将棋連盟開発課
出版社:マイナビ出版(日本将棋連盟)
出版日:2003-11-01
価格 :¥2,537(2024/08/31 16:35時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

書名に「ガイドブック」とあるが、ルールブック+αといった内容に近い。
基本的以前やん、という項目まできっちりと解説したルールと、将棋用語集、ちょっとした歴史ガイドやトリビア的な章まで、とりあえず一度は読んでみて損はないと思う。もっとも、あのルールの部分を初心者が読むとは思えないんで、どっちかと言うと細っかいところを突っついたりこねくったりして楽しむ人用だとは思う。まぁ、白砂もそうなんだけどね(笑)。

勤め先の図書館では、5冊購入して全ての分館に配布した。そういう感じで、辞書的に一冊欲しいな、という本である。学校図書館などに置いてくれると嬉しい。
将棋連盟に寄付させる、というのはムリなんだろうな……。
現在の学校図書館の予算はそれはもうお粗末なもので、数十万円しかないところも決して珍しくはない。そんなところで、わざわざこの本を買ってくれるとはとうてい思えない。
だからこそ、将棋連盟には少し考えて欲しいんだけどなあ……(関係ない話で申し訳ない)。

作成日:2003.12.24 
その他の総合

入玉大作戦 逃げるが勝ち!

入玉大作戦: 逃げるが勝ち! (MYCOM将棋文庫 22)
著者 :毎日コミュニケーションズ
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2003-12-01
価格 :¥2,399(2024/09/01 14:19時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

私は3二金戦法という戦法を指しているのだが、この将棋のコンセプトは「入玉」である。しかし、入玉というのは簡単なようでとても難しい。流れ弾の当たる確率が高いのだから当然である。
本書は、そんな難しい入玉のテクニックにスポットを当てて書かれている珍書である。
元々が「実戦的」な技術なのでウソっぽいところがないわけではないのだが、読んでいると「将棋は入玉だ」と思ってしまう(すいません、ウソです)。

本書に限らず、この「外伝」シリーズは先に紹介した「伝説」シリーズと同様、アマチュアが最も知りたい、けれども今まで紹介されていなかったさまざまな手筋が紹介されている。毎コミのそういう編集方針は好ましく思う。
最近はやや停滞感があるが、またこれらのシリーズのような良書を世に出して欲しい。

作成日:2003.12.14 
その他の分類
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