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武市流力戦筋違い角の極意

武市流力戦筋違い角の極意 (プロの将棋シリーズ 4)
著者 :武市 三郎
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2003-05-01
価格 :¥1,330(2024/09/01 00:25時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

感想、ね。あくまでも感想だよ。

文章がヘタすぎ

こんなこと言っちゃってホントに申し訳ないと思う。ある意味、ゴーストを使っていない証明かもしれない。
しかしそれにしてもヒドい。
とにかく一度読んでみてくれ、としか言えない。久々に「読みにくい文章」に出会った。

ただ、ひとつ気になることがあって、じつは、個々のフレーズについては自分でもよく使っているのだ(笑)。人のことをこんだけ言っといて、他人から見ると自分の文章もそう見えるんじゃなかろうか……と心配してしまった。

内容はというと筋違い角で(<をい)、基本的には振り飛車型を扱っている。
角交換していきなり▲4五角として、あとは四間飛車に振って▲6七角からさばいていく感じとなる。
もう少し変化を多くしてくれると、もっと良かったと思う。
例えば、▲4五角△6二銀▲3四角△3二金▲6六歩に△6四歩と突く手がある。▲8八銀ならいきなり△6五歩と突いて▲同歩△6六角、という狙いを持った手で、△6四歩には▲6八飛と備える一手となる。ここまでは本書にも書いてある。
しかし、同じ筋違い角を扱っている『筋違い角と相振り飛車』には、ここから後手が右四間にする狙いが示されていた。「アマ強豪間ではこの対策が浸透しており……」みたいな記述もあったので、有力な対策の一つだと思う。ところが、本書ではこの形は出てこない(と思う。一応買って読んだ)。

数年前の本に負けてどーするよ武市さんよぉ。

冗談はさておき、読みづらく変化の底も浅い気がするが、筋違い角の狙い筋と戦い方はきちんと示されている。なので、筋違い角で一発狙ってやろうと思っている人、やられて困っている人は一度読んでみるのもいいかもしれない。

作成日:2003.06.04 
奇襲・変態戦法

振り飛車ワールド 第3巻

振り飛車ワールド 第3巻
著者 :毎日コミュニケーションズ
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2003-05-01
価格 :¥277(2024/08/31 15:06時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

すっかりおなじみとなったシリーズの第3弾。なんでも第1巻の増刷が決まったそうで、うれしいのはわかるがうるせぇぞ(笑)。

今回はインタビューがカトピンさん(加藤一二三)。
もともと嫌いな人じゃなかったけど、今回のインタビューはよかった。個人的には、これを読めただけでもこの本を買う価値はあった。棒銀戦法に賭ける想い(笑)、勝負に対しての真摯な姿勢など、ひふみんワールド炸裂である。
「居飛車穴熊にすると藤井流(藤井システムとは言わない(笑))をはじめとする急戦を相手にすることになる。そのまま攻められて負かされて何が楽しいんだ」
こんなセリフはなかなか言えない。それに続けて、
「急戦は自分が攻めていく。それで負かされるのは自分が弱いからで、納得がいく」
「棒銀戦法は悪くない。問題なのは自分の実力だ」
など、名言の嵐。とにかく一度読んでみて欲しい。
そして「いい!」と思ったら、ファン投票のつもりで買ってあげてください(笑)。

その他は指定局面対局やらバンカナタン&あじあじのエッセイやらちょっとしたコラム講座や、目次としてはだいぶ固まった感がある。それぞれなかなか面白いので、ヒマつぶしていどに気軽に読めるのはいいと思う。ただし、指定局面対局は前回ほどのインパクトはなかったなぁ……。

どうでもいい話だが、編集に携わっている西村詩さん。これ、「ぽえむ」と読むそうだ。白砂が学生時代にその名を馳せていた学生強豪の一人である。将棋に携わる仕事につけるって、なんかいいなぁ……。

作成日:2003.06.04 
振り飛車全般

谷川浩司の戦いの絶対感覚

谷川浩司の戦いの絶対感覚 (最強将棋塾)
著者 :谷川 浩司
出版社:河出書房新社
出版日:2003-04-01
価格 :¥609(2024/09/02 11:58時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

「戦いの絶対感覚」シリーズから、ついに待望の谷川版が出版。
どんな内容なんだと期待して、立ち読みだけでは飽き足らず結局買ってしまいました(笑)。

で、内容なのだが……。

ち ょ っ と 残 念

谷川自身の実戦譜を元にしている、という部分もあるのかもしれない。しかし、それにしてもなんとなく解説に既視感がある。どこかで聞いたような解説ばかりなような気がする。
しばらく読み進めて、わかった。
観戦記を読んでいるときと、まったく同じ空気なのだ。

今までの「戦いの絶対感覚」シリーズは(特に最初の佐藤本森内本は)、まさに「感覚」の部分を解説してくれたように思う。ところが、前回の羽生本あたりからだと思うのだが、単に実戦譜を解説してるだけやん、みたいな感じに変化している気がする。
特に谷川の場合、その鋭い攻めは谷川ならではという感が強いので、よりいっそう普遍的でない解説になっている。なので、どうしても「この呼吸を会得しよう」ではなく「おーすげー」となってしまって、これが自分の血肉になるのか疑わしくなってくるのだ。

読んでまったくためにならない、とまでは言わない。
ただ、これを読んだから強くなると断言できるか……というと、ちょっと疑問だ。
ちょっと邪道な感はあるが、谷川の好プレー集として読むと楽しめると思う。

作成日:2003.05.21 
大局観

東大将棋ブックス横歩取り道場 第6巻 3三桂戦法

横歩取り道場 第6巻 (東大将棋ブックス)
著者 :所司 和晴
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2003-05-01
価格 :¥948(2024/09/01 05:09時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

すっかりお馴染みの東大将棋シリーズ。相横歩、8五飛、4五角ときて今度は3三桂戦法である。
屋敷あたりが随分勝ち星を稼いで話題になった時期もあった。最近では脇-深浦戦やそれを踏まえた谷川戦などが話題に上ったようだ。最近は8五飛戦法の影響で少なくなったが、一発の入りやすいこういう戦形は特に持ち時間の少ない将棋などでは威力を発揮する。完全に潰される定跡が確立されない限り、今後とも長く指されていくのだろう。

3三桂戦法の定跡書自体があまりなかったせいもあるのだろうが、かなり基本的な形から解説している。個人的には▲2七歩、なんていうのを久しぶりに見た(笑)。系統立てて、と言えるほど親切な作りにはなっていないが、狙い筋が単純なので体系化しやすく、作りやすかったのだろう。今までのシリーズよりは読んでいて雑多感は少なかった。
ひととおり読めば、3三桂戦法の狙いや攻め筋が判ると思う。

定跡書自体がないのだから、それだけで貴重な本と言えるだろう。アマチュアでは(もちろんプロでも)この戦法を得意にしている人も多いので、大会などで一発喰らってしまう、なんてことも十分にありうる。居飛車等は目を通しておいて損はない。

作成日:2003.05.21 
横歩取り

振り飛車ワールド 第2巻

振り飛車ワールド 第2巻
著者 :毎日コミュニケーションズ
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2003-03-01
価格 :¥75(2024/09/02 10:09時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

いかにもごった煮感の強い装丁だが、どうやら直す気はないらしい(笑)。しかし、あとがきで明言するとは強気な……。

構成は前著と同じような感じで、インタビュー、指定局面対局、コラム的講座などがわらわら入っている。
今回の目玉はバンカナたんのコラム指定局面対局で、4六銀戦法に対して振り飛車の新手が紹介されている。4六銀戦法は『世紀末四間飛車』『スーパー四間飛車』など昔の棋書でも取り上げられ「詰みまで研究されている」とまで言われていたものだが、ここへきて新たな展開を見せている。
さわりだけ紹介すると、従来の定跡では△4六歩と叩いて▲同銀△4九飛となっていたが、ここで4九ではなく3九に打つのが研究の一手。以下いろいろ変化はあるのだが、どうも振り飛車がかなり有力らしい。
この変化は、それこそ森安ダルマ流の頃からの形で、どうして今まで気づかなかったんだ! というくらい単純な筋である。もちろん、実際は奥底にある変化の中で「やれる」筋が見つかって復活したのだと思うが、それにしても将棋の奥深さを感じる。

講座の方も相変わらずで、役に立つんだか立たないんだか白砂にはよくわからない(笑)。ただ、流してささっと読めるので、お得な感じはする。インタビューもなかなか味があったが、今度はバンカナたんにインタビューをして、ついでに写真をたくさん載っけてくれると嬉しい(爆)

作成日:2003.05.21 
振り飛車全般
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