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東大将棋ブックス 四間飛車道場 第7巻 相穴熊

四間飛車道場 第7巻 (東大将棋ブックス)
著者 :所司 和晴
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2002-10-01
価格 :¥397(2024/08/31 16:39時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

東大将棋シリーズの中でも、もっとも待ち望まれていたと思われる穴熊の本。しかも相穴熊である。あぁなんて下品な将棋(笑)。

というギャグはおいといて。
先手居飛車穴熊、後手四間穴熊という「限られた形」の解説である点は従来の東大将棋シリーズとまったく変わらない。振り飛車側が早めに△5四銀と上がり、△6二飛と攻める形が紹介されている。『これが最前線だ! 最新定跡完全ガイド』にも若干似たような形があったと記憶するが、なにしろ相穴熊の本なんでどれだけ出ていなかったことか。しかも内容は超高度(当たり前、という変化も多いんだけど)。

とりあえず穴熊党は絶対に買い。こんな下品な将棋は指さないという人は買う必要なし(笑)。

作成日:2002.10.12 
穴熊

攻めか受けか 次の一手問題集 寄せの判断力を養う

攻めか受けか: 次の一手問題集 寄せの判断力を養う (将棋終盤力養成講座 3)
著者 :勝浦 修
出版社:創元社
出版日:2002-10-01
価格 :¥692(2024/08/31 18:54時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

いわゆる「次の一手」本である。終盤の局面を抜き出し、次の一手を問う。
ただし、スーパートリックのようなパズル的なものではない。実戦さながらの局面を元に(というか元ネタがプロの実戦なので当然なのだが)、この局面は攻めるべきか受けるべきかを考える。純粋に読みの力、大局観が問われる。

白砂はパラパラと読んだだけなのだが、意外と手ごわい。驚いた。
こういう問題だと「~にて必死で勝ち」ばかりなのだが、本書の場合は「ここで受けておいて手勝ち」とか、本当に実戦の勝負と同じ形勢判断、ヨミをしないと正解は出せない。華麗な手順ももちろん多いが、地味に上から押しつぶして勝ちとか、そういう解答も多いのだ。既存の次の一手集よりは骨があると思う。こういう本を創元社も出すようになったのか……と、ちょっとビックリした。
まえがきには「有段者はヒントを見ないで解けば云々」とあるが、ヒント自体があまり役に立たないので(笑)、かなり難しい問題が多い。ちょっと級位者では読み切れない(本書がではなくて、問題の正解手順が)と思う。
初段前後の人が、終盤力を鍛えるのにはもってこいの本だ。

買うか、と言われると「こういう本って繰り返し読めないからなぁ……」と躊躇してしまうのだが、立ち読みをして難しいと感じたら売り上げに貢献してあげて欲しい。こういう本って、意外と貴重だと思うから。

作成日:2002.10.01 
終盤・寄せ

新・対局日誌 第7集 七冠狂騒曲(上)

新・対局日誌 第7集
著者 :河口 俊彦
出版社:河出書房新社
出版日:2002-09-01
価格 :¥410(2024/08/31 20:17時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

もともと、この『対局日誌』という本はどう読んでいいのか判りにくい、という面がある。いや、判りにくいというと失礼な話で、要するにいろいろな読み方ができるということなのだが。
単純に考えれば、日々のプロ棋士の横顔、表に出ない素顔を見られるという本でもあるのだが、同時にプロ将棋のエッセンスをうまく散りばめているので、手筋集としても面白く読める。白砂がよくコラムで取り上げるのはそういう事情もあるからだが、というわけで、単純な分類分けができない珍しい棋書である。

今回の話は羽生が七冠を取れるかどうか……という辺りの話で、もう結末は判っているのだが(笑)谷川が最後にふんばって七冠は達成されなかった。しかし、その辺のことをいかにも著者らしい視点と語り口で綴っている。
これが嫌い、という人ももちろんいるだろうが、白砂はそんなに気にならない。年寄りの戯言部分は「はいはい」って感じで読み流している(笑)。

作成日:2002.09.30 
読みもの

東大将棋ブックス横歩取り道場 第2巻 相横歩取り

横歩取り道場 第2巻 (東大将棋ブックス)
著者 :所司 和晴
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2002-09-01
価格 :¥658(2024/09/01 05:09時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

東大将棋シリーズ、横歩取り本の2冊目。
相横歩取りである。
8五飛戦法が流行る前はこの形が多かったと思う。北浜新手の△5四歩も相横歩の定跡だった。

一番筆が割かれているのが相横歩取り▲4六角の変化。▲4六角に対してのさまざまな応手を解説している。一応、最善手は△8二角で、▲同角成△同銀……と続くわけだが、相横歩を指すのであれば、それ以外の変化も当然知っておかなければいけないだろう。
白砂が学生の頃は▲4六角がまだ出たてのころだったと思う。確か、青野新手とか言われてたんだよねー。ずいぶん長いこと先手有利と言われていたのだが、△5五角の変化が出てむしろ後手有望になっていった。

これ以外にも、▲7七銀ではなく▲7七桂と上がる形や▲7七歩と打つ形についても(少しだが)解説している。『定跡外伝』では好意的に書かれているが、こちらではやはり奇襲色が強いということであまりよくは書いていない。

今までの定跡のおさらいの感は強いが、いまさら『横歩取りは生きている』から読み返すのもなぁ……という人にはおすすめである。あいかわらず上級者向けだし、そもそも横歩取り自体が級位者には不向きな戦法なので、棋力の低い人にはすすめられない。

作成日:2002.09.12 
横歩取り

中飛車戦法 居飛車穴熊を撃退する!

中飛車戦法: 居飛車穴熊を撃退する! (将棋必勝シリーズ)
著者 :杉本 昌隆
出版社:創元社
出版日:2002-09-01
価格 :¥9,262(2024/08/31 16:39時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

ものすごく身もフタもない感想を言ってしまうと、どこかで見たような中飛車の本。2章立てで、前半が昔の変態中飛車、後半が今の変態中飛車=ゴキゲン中飛車、という内容だ。

創元社の本の作りがこうなっている、としか言いようがないのだが、非常に変化の底がない。その代わり、図面を大きく取って初心者でもわかりやすいようにしている。徹底して上級者を切り捨てるという姿勢はこれはこれでいいのかもしれない。原田節みたいなもんである。

それでも、パラパラと読んでいると「お、この変化いいじゃん」という手がいくつかはあった。白砂が知らなかっただけなのかもしれないが(笑)。立ち読みで30分もあればひととおり目は通せるので、有段者の人も読んでみてほしい。

作成日:2002.09.10 
穴熊
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