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奇跡の一手 サラリーマン・瀬川晶司が将棋界に架けた夢の橋

奇跡の一手: サラリーマン・瀬川晶司が将棋界に架けた夢の橋
著者 :上地 隆蔵
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2006-03-01
価格 :¥96(2024/09/02 11:59時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

いっぱい出た「瀬川本」のうちの一冊。元奨励会員であり、『週刊将棋』の編集者でもある著者が書いた「瀬川事件」の顛末である。

内容としては周知のものであり、さほど目新しいものはなかったと思う。なにしろ瀬川本はほとんど同時に読んだもので(笑)、どうも印象が薄いのだ。
『瀬川晶司はなぜプロ棋士になれたのか』は、純粋に外からの目で書かれたもののように見えるし、『棋士瀬川晶司』は内部の人間がまとめた本である。本書は、図面や棋譜を一切使わないことで将棋を知らない人間に配慮しつつ、内部から優しい視線をもって書かれた本だと思う。

正直、わざわざ蔵書に加える本だとは思わない。白砂は将棋のことと将棋界のこととはイコールではない、と考えているので。瀬川事件があったことは知っていていいだろうが、そのために本を手元に置いていつでも振り返るようにしておく必要は感じない。
もちろん、将棋界も好きな人であれば、是非とも揃えておいた方がいい一冊だ。

作成日:2006.03.31 
読みもの

詰将棋実戦形パラダイス2

詰将棋実戦形パラダイス 2
著者 :詰将棋パラダイス
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2006-02-01
価格 :¥1,025(2024/08/31 16:44時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

『詰将棋パラダイス』に掲載された3~15手詰の実戦形を集めた本。内訳は、3~7手詰が40問、9~11手詰が55問、13~15手詰が10問となっている。

とはいえ、3手詰は数えるほどしかないし、13手以上は問題数が少ないということで、実際は7~11手詰の本と考えるのがいいだろう。
実戦形ということで、詰パラ特有の「変な問題」はない。
ただし、結構骨のある問題が多いので、スラスラ解いていく……というわけにはいかないと思う。
「てごわい詰将棋」という、あまりない領域の貴重な本だろう。

作成日:2006.03.31 
詰将棋

瀬川晶司はなぜプロ棋士になれたのか

瀬川晶司はなぜプロ棋士になれたのか
著者 :古田 靖
出版社:河出書房新社
出版日:2006-03-25
価格 :¥1(2024/08/31 18:54時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

まったく外部の目から見た瀬川事件の本、という感じ。正直、最初の感想は「誰こいつ?」というものだった(笑)。プロフィールや著書を見るに、いわゆるルポライターとかに分類されるのだろうか。
非常に事件ライクというか無味乾燥というか(←褒めてます)、よくあるビジネス本と同じような文体、体裁である。最初にドラマチックな場面を描写して、いったん最初に遡ってから時系列を辿るといった手法はよく見る。図書館に行けば336あたりに山と置いてある(という表現をして果たしてどれだけの人が判るのか大いに疑問だ(笑))。
そのため、将棋を知らない人が読むのには適している。白砂なんかは逆にちょっと「どぎつい」印象が強くてダメだった。『Number』の記事のような浸り具合、といってしまうとかえって判りづらくなるか……。

かなり取材をしていることは確かなので、将棋界マニアの方は一度目を通すことをお勧めする。

作成日:2006.03.31 
読みもの

5手詰ハンドブック 2

5手詰ハンドブック 2
著者 :浦野 真彦
出版社:マイナビ出版(日本将棋連盟)
出版日:2006-03-25
価格 :¥700(2024/08/31 16:01時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

好評だった『5手詰ハンドブック』の第2弾。『3手詰ハンドブック』も加えると第3弾になる詰将棋本。
今回は装丁が緑。前回が赤、3手詰は黄色だった。次はどーする?(笑)

内容は書名の通り5手詰だけを扱ったもので、今回も200問ある。
問題も相変わらずうまい具合の難易度で、慣れていない人には難しく慣れた人はスラスラ解ける感じだ。当たり前のように感じるかもしれないが、このさじ加減って意外と難しいと思う。
5手詰をいっぱい、ともなると、どうしても3手詰+2手、みたいな詰将棋が出てくる。その逆算の仕方がうまいのだろう。自然な感じで大駒捨てを入れたり、形をまとめたりしている。

『3手詰ハンドブック』はもう卒業、という人には薦めたい一冊。前作が手ごわいようなら、こちらよりは『3・5・7手実戦型詰将棋』の方を推したい

作成日:2006.03.31 
詰め将棋

3・5・7手実戦型詰将棋

3・5・7手実戦型詰将棋-基本手筋をマスターし、級から段へ (池田書店 将棋シリーズ)
著者 :飯野 健二
出版社:池田書店
出版日:2006-03-02
価格 :¥1,045(2024/08/31 16:01時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

奨励会幹事をしていたこともあり、普及に熱心な著者が書いた詰将棋本。
3手詰を60問、5手詰を60問、7手詰を40問、計160問の詰将棋が掲載されている。

非常に易しかった。
詰将棋が苦手な人向けと言えるかもしれない。一応7手詰まで入っているので、詰将棋慣れしてからもそこそこ楽しめると思う。そういう意味ではコストパフォーマンスはかなり高いのではないだろうか。

詰将棋ではなく詰め将棋、を地で行く感じで、それをどう感じるかによって評価が分かれる本だろう。個人的にはその姿勢は評価する。
ただ、ちょっと装丁が「ダサい」感じがした。ページ周りのグレーの使い方とか、駒のフォントとか、ちょっとしたこと少しずつがなんとなくしっくりこない。長くは眺めていられない気がする。もちろん、これは個人差がある話なので実際に手にとって確かめてほしい。

本書がスラスラ解けるようなら、『5手詰ハンドブック2』に手を出し、最後に『詰将棋実戦形パラダイス2』に手を伸ばす。読んでいくなら、こんな順序だろうか。

作成日:2006.03.31 
詰め将棋
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