その他

5手詰ハンドブック 2

5手詰ハンドブック 2
著者 :浦野 真彦
出版社:マイナビ出版(日本将棋連盟)
出版日:2006-03-25
価格 :¥700(2024/08/31 16:01時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

好評だった『5手詰ハンドブック』の第2弾。『3手詰ハンドブック』も加えると第3弾になる詰将棋本。
今回は装丁が緑。前回が赤、3手詰は黄色だった。次はどーする?(笑)

内容は書名の通り5手詰だけを扱ったもので、今回も200問ある。
問題も相変わらずうまい具合の難易度で、慣れていない人には難しく慣れた人はスラスラ解ける感じだ。当たり前のように感じるかもしれないが、このさじ加減って意外と難しいと思う。
5手詰をいっぱい、ともなると、どうしても3手詰+2手、みたいな詰将棋が出てくる。その逆算の仕方がうまいのだろう。自然な感じで大駒捨てを入れたり、形をまとめたりしている。

『3手詰ハンドブック』はもう卒業、という人には薦めたい一冊。前作が手ごわいようなら、こちらよりは『3・5・7手実戦型詰将棋』の方を推したい

作成日:2006.03.31 
詰め将棋

3・5・7手実戦型詰将棋

3・5・7手実戦型詰将棋-基本手筋をマスターし、級から段へ (池田書店 将棋シリーズ)
著者 :飯野 健二
出版社:池田書店
出版日:2006-03-02
価格 :¥1,045(2024/08/31 16:01時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

奨励会幹事をしていたこともあり、普及に熱心な著者が書いた詰将棋本。
3手詰を60問、5手詰を60問、7手詰を40問、計160問の詰将棋が掲載されている。

非常に易しかった。
詰将棋が苦手な人向けと言えるかもしれない。一応7手詰まで入っているので、詰将棋慣れしてからもそこそこ楽しめると思う。そういう意味ではコストパフォーマンスはかなり高いのではないだろうか。

詰将棋ではなく詰め将棋、を地で行く感じで、それをどう感じるかによって評価が分かれる本だろう。個人的にはその姿勢は評価する。
ただ、ちょっと装丁が「ダサい」感じがした。ページ周りのグレーの使い方とか、駒のフォントとか、ちょっとしたこと少しずつがなんとなくしっくりこない。長くは眺めていられない気がする。もちろん、これは個人差がある話なので実際に手にとって確かめてほしい。

本書がスラスラ解けるようなら、『5手詰ハンドブック2』に手を出し、最後に『詰将棋実戦形パラダイス2』に手を伸ばす。読んでいくなら、こんな順序だろうか。

作成日:2006.03.31 
詰め将棋

フィードバック方式定跡次の一手

フィードバック方式定跡次の一手: 初段への近道
著者 :
出版社:マイナビ出版(日本将棋連盟)
出版日:2005-12-01
価格 :¥1(2024/09/02 12:00時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

基本とも言える定跡について、次の一手形式で覚える本。

「フィードバック」とはなんぞや? と思ったが、要は問題が2段階になっているもののようだ。
本問題が判らなかった場合はその下にある類似問題(これらの呼び方は白砂のオリジナルです)を解く。類似問題の方は狙いが明確というかあからさまになっているので、それがヒントになるでしょう、というわけだ。
なかなか面白い試みだが、クオリティを維持するのは難しいようで、いくつか「答えの符号が一緒なだけじゃないのかこれ」という問題もあったように思う。まぁ「目がそこに行けばいい」からいいのかな(笑)

内容は定跡というより常識に近いものも含まれている。類似問題は特に簡単に作っているので、初級者から中級者になろうか、というくらいの人はかなり役立つだろう。
上限は初段くらいまで。そこから先はもう「常識」なので、本書を読む時間があったら別の本を読む方に時間を割こう。

作成日:2006.01.11 
次の一手

ラクラク詰将棋 基本手筋集2

ラクラク詰将棋〈2〉基本手筋集 (メキメキ将棋上達本)
著者 :日本将棋連盟書籍
出版社:マイナビ出版(日本将棋連盟)
出版日:2005-12-01
価格 :¥1,046(2024/08/31 16:01時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

3、5、7手の詰将棋を集めた本。
非常に簡単な問題を選んだ感があり、詰め将棋アレルギーの人にはお勧め。

例によってタイムトライアルで解いていったのだが(本屋さんホントにごめんなさい)、ほとんど渋滞することがなかったので30分くらいしかからなかったと思う。
だいたいこういう類の本は、3手詰5手詰あたりだと線駒を使った「ややこしい詰め方」が多いものだ。短手数の手筋は限られているから仕方がないといえばそうなのだが、それでも類書ほどは多くない。また、後半の5手7手、特に7手詰は端正な作品が多かったので、その点でも早く解けた。

以前5手詰ハンドブックのところでもタイムを記したが、その時間について「早すぎる」とか「俺は時間がかかった。才能がないのか」といった反応があったようだ。
別のところでも書いたことなのだが、白砂は創作したりもする詰将棋ヲタなので、将棋の棋力以上に詰将棋は得意です。なので、ヲタ連中から見れば白砂のタイムは遅すぎるくらいなので恥ずかしい限りだし、白砂より時間がかかったからといって嘆くことはありません。安心してください(笑)。

作成日:2006.01.11 
詰め将棋

羽生善治の終盤術1 攻めをつなぐ本

羽生善治の終盤術(1) 攻めをつなぐ本 (最強将棋21)
著者 :羽生 善治
出版社:浅川書房
出版日:2005-12-22
価格 :¥1,430(2024/08/31 18:31時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

浅川書房がついに動いた。羽生を担ぎ出しての大局観解説本である。
シリーズ第一巻は「攻めをつなぐ本」。主に中盤戦たけなわの局面から最終盤までの局面について、考え方や指し手の方向性について解説している。

ただ、実際の体裁は「解説」ではなく、次の一手の出題という形になっている。『読みの技法』系の体裁を期待していた白砂はちょっと拍子抜けだった。実際、一通り読んでみた感想としても、「これちょっと……」だった。
ちょっと、の原因は単純なことで、解説の量と解説の質が一致していない。一言で言うと「解説が少なくてわかりづらい」。非常に高度な解説をしているので、次の一手の回答としての解説量だと少なすぎるのだ。
また、一局を数問に分けて出題している。そのため、その局の最後の方の問題では「読む手数」が少なくてすむが、最初の方では成算が持てる局面に持っていくまでの読む手数はかなり長くなる(ややこしい表現で申し訳ない)。まえがきには「7手詰めが読める程度の棋力があれば……」とあるが、上記の理由により、それはちょっと疑問だと思う。

まぁごちゃごちゃと書いたが、要は「せっかく高度なことを書いているのだから、それに見合う編集形式である講義形式にしてほしかった。次の一手形式ではその効果が半減する」ということである。

……ところが。

騙されたと思って、もう一度読み返してみて欲しい。
できれば一読した後すぐがいい。「答えを知っている」状態でもう一度読むのだ。

するとあら不思議(笑)。次の一手形式だった体裁が、図面を豊富に使った解説本へと一変しているではないか。
要するに、「次の一手として問題を考える」→「答えを見る」→「解説を読む」というステップが、非常に「疲れる」ものだったのだ。答えを考えるという思考と、解説を読んで理解し吸収するという思考とは違うということなのだろう。再読した場合は、純粋に解説だけに集中して読めるために、思考の流れというかパターンが一つで済むために疲れず、非常に判りやすく読める。
実際のところ、これは単純に白砂の棋力では理解しづらいほど高度なことをやっているだけかもしれないのだが(笑)、とりあえず白砂の場合はそうだった。そういう読み方をすると、図面一つ一つに解説が入り、手の流れを説明して最後に理論を総括するという実に丁寧な解説本として読める。

この読み方が正しい、と言うつもりはないが、「一読してもよく判らん」と思った方はぜひとも試してみて欲しい。きっと効果はある。本書で説いているものを吸収できないのはもったいない。
もちろん、それでも難しいと感じることもあると思う。しかしそれは仕方がない。それだけかなり難しいことを説明しようとしている本なのだ。本書は。

作成日:2006.01.08 
次の一手 手筋 終盤・寄せ 大局観
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