その他

振り飛車党列伝

阿部隆の大局観: 良い手悪い手普通の手
著者 :阿部 隆
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2005-10-01
価格 :¥488(2024/09/01 01:14時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

『振り飛車ワールド』の1コーナーをまとめた本。

白砂は『振り飛車ワールド』を全巻持っているのでなんの意味もない本なのだが、このインタビューは確かに「ゼニの取れる」内容だ。一冊にまとめて、広く読んでもらいたいという発想は間違っていないと思う。

本書を読めば将棋が強くなる、というわけではないが、本書を読めば将棋が指したくなる、と、思う。多分(笑)。
コピー将棋が多いだとか個性がないだとかいろいろ雑音も多いが、まだまだ個性的な棋士はたくさんいる。若手もベテランも含めて、登場したすべての棋士のファンになってしまいそうな、そんな「いい話」がいっぱい詰まっている。

作成日:2006.01.08 
読みもの

終盤の鬼 森信雄の強くなる将棋

終盤の鬼: 森信雄の強くなる将棋 終盤の謎に取り組み、棋力アップを目指す。
著者 :森 信雄
出版社:山海堂
出版日:2005-08-01
価格 :¥200(2024/08/31 16:43時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

次の一手形式で寄せの勉強をする本。

最初にちょっとした解説ページがあり、そのあとはひたすら問題を解いて鍛えていく方式である。
ちょっと面白いのが、問題のページにヒント図面があり、「▲○○○という手ではこうなってダメ」みたいなものが図入りで載っていること。こういう、最初に失敗図を示すという形式の問題集は初めて見た。
要するに、問題形式にはなっていても、その実これは講義形式であり、だから問題を解くというよりはどんどん読み進んでしまっても構わないようになっている。一通り読む(図面を見る)ことによって、寄せの形や手順を叩き込むという本だ。

問題自体はなかなか骨っぽいものも入っているが、上級になると逆に「スーパートリック(作者にちなんで言ってみました(笑))」っぽくなっていて寄せの教材という感じではなくなる。もう少しターゲットを絞って、実戦的な問題集(寄せ講義)としてまとめた方が本としては生きたのではないか……と思った。
試みとしては悪くないので、『寄せが見える本』一歩手前の読者を対象とするくらいで続編を作ってほしい。

作成日:2005.10.26 
次の一手 終盤・寄せ

実戦に役立つ詰将棋3手5手

実戦に役立つ詰将棋3手5手
著者 :週刊将棋
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2005-08-01
価格 :¥660(2024/08/31 16:01時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

3手詰と5手詰だけを集めた本。『週刊将棋』の下の段にある「詰将棋入門」から持ってきている。

結論から言うと、この本は初級者が読んでも「実戦に役立つ」ことはない
一度でも『週刊将棋』の「詰将棋入門」を解いた人なら判ると思うが、この詰将棋、3手詰はかなり特殊な線駒の使い方をする。難易度で言ったら「詰パラ」などの方が数段上なのだが、一般の詰め将棋本に比べたらよっぽと「そっち寄り」の問題ばかりだ。そんなものを解いていったところで実戦にはほとんど役に立たない。もちろん「解いたことによる棋力上昇」とは問題が別である。ここで言っているのはあくまでも「こんな詰み筋実戦じゃ出ねぇよ」という話だ。

一方、3手詰の「凶悪さ」に比べると、5手詰の方はまだ素直に作ってある。
なので、もし間違って(笑)買ってしまったり立ち読みした級位者の方がいたら、5手詰から解くことをお勧めする。
5手詰で基本詰手筋と自信(笑)を養ってから、マニア向けの3手詰に挑戦すればいいだろう。

あと、巻頭の詰め手筋の解説は役に立つ。短いながらうまくまとめられており、詰め将棋初心者には一度でいいから目を通しておいて欲しい内容となっている。

作成日:2005.10.26 
詰め将棋

手筋の達人

手筋の達人―矢倉の手筋が満載 (MYCOM将棋文庫SP)
著者 :武者野 勝巳
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2005-02-01
価格 :¥1,100(2024/09/01 17:29時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

矢倉の手筋を次の一手形式で紹介する本。毎コミおなじみの復刻文庫で、2冊の「手筋の達人」が1冊にまとまって出版されている。
文庫のくせに非常に分厚い。京極夏彦じゃねーんだから、とも思うが(笑)、次の一手形式だとサクサク読めるので、このくらい厚くてもいいのかもしれない。一度通しで読むだけでかなり「おなかいっぱい」になる。

内容は、定跡となっている基礎的な変化から中盤の芒洋とした局面までさまざまで、特に応用編は「ここでは手を渡すのがいい」とかかなり高度な駆け引きまで紹介されている。もっとも、現在では定跡化されているものも、逆に定跡化されて廃れて最近見ないなぁ……といった形もあるので、この辺は復刻ということで多少多めに見てほしい。

初級者にとってはこういう基本的なトコからやった方がいいと思うので、立ち読みでいいからパラパラと読んでみてほしい。最初から読んでみて、一つでも知らない変化、形が出てきたら本書は買いだ。そのあとどんどん高度な形が出現するのだから。
逆に高段者の矢倉党は、これを知らないようではまずい。タイムトライアルだと思って挑戦してみてほしい。

作成日:2005.03.02 
次の一手 手筋

森信雄の勝ちにいく! 詰将棋ドリル

森信雄の勝ちにいく!詰将棋ドリル: 反復練習で身につく一手・三手・五手詰め
著者 :森 信雄
出版社:山海堂
出版日:2005-02-01
価格 :¥691(2024/08/31 16:01時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

1手3手5手の詰め将棋本。
ドリルってなによ? と思って、開いてみて意味がすぐに判った。確かにドリルだ。
基本的な詰め手筋を抽出して紹介する形式で、問題形式と捉えない方がいいかもしれない。何度も「見て」覚えるタイプの本だ。

詰将棋は難しいという話をよく聞くが、「詰パラ」みたいなのは置いといて、将棋世界や週刊将棋の詰将棋クラスであれば、既存の詰め知識があればほとんどが数分から十数分で解くことができる。まぁそこまで行くための本ではないが、その第一歩として、「10分で解ければ初段」くらいの詰め将棋であればさっくり解けるような知識を得るための本である。
実際、一手詰という形を紹介する詰め将棋本はあまりないので、本当の初級者の方でも十分に「モト」が取れると思う。別に本書のガイド通りに□にレ点を埋めていく必要はないが、そのつもりで何度も読み返すことだ。そうすればきっと詰め将棋の知識は身についていく。
段クラスの人なら、本書を手にとるのは時間のムダ。いくら手筋を知るためとは言ってもさすがに易しすぎる。『5手詰ハンドブック』辺りからにするのがいいだろう。

作成日:2005.03.02 
詰め将棋
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