その他

桂馬飛びはなぜ妙手を生むのか

桂馬飛びはなぜ妙手を生むのか: 清朝・始皇帝の墓と囲碁・将棋の謎
著者 :永松 憲一
出版社:新風舎
出版日:2004-06-01
価格 :¥122(2024/08/31 20:17時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

なんと言うか……。

わけわからん。

実戦における桂馬飛びの妙手を抜き出し、なぜそれが妙手となったのか、また、なぜそれが妙手に見えるのか、そのメカニズムを探る……という本ではない
なんだか六角形がどうとか、囲碁だのチェスだの他のゲームではどうとか、歴史的に見てうんちゃらとか、はっきり言ってしまうと、

これ将棋の話じゃない

立ち読みでよかった……(笑)。

少し真面目な話をすると、内容そのものはとりあえず面白く読めた。白砂は数学とか嫌いじゃないんで。ただ、最初に述べた通り、将棋の本だと期待して読むと泣くことになる。
もう一度読むか……? と聞かれると困るけど。

作成日:2004.07.01 
読みもの

有段者への道案内

有段者への道案内
著者 :宮崎 国夫
出版社:木本書店
出版日:2004-04-01
価格 :¥1,320(2024/08/31 16:43時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

次の一手形式で、将棋の手筋を身につけていく本。
なんだか紋切り型の説明になってしまったが、いい意味でも悪い意味でもそうとしか説明しようがない。

ページが上下に割れていて、それぞれが独立した問題になっている。「~指しこなす本」シリーズと似たような形式だ。ただ、あちらが本を逆さに持ち替えるのに対し、本書はあくまでもレイアウトとして分かれているだけ。なので、読み方としては、一度最後まで読んでまた最初に戻って……という形になるだろう。
「少しでも問題数を増やそう」という著者のサービス精神を感じるが、しかし、これはこれで見づらい気もするので、残念ながら一長一短だと思う。個人的には、その心意気に一票を投じたい。

問題そのものの質は、初段くらいの人が楽しめる程度のものになっている。タイトルに偽りはない。
ただ、作中で「○段の問題」となっているが、その段位が少し辛いと感じた。正確に言うと、簡単な問題は表示段位程度に簡単なのだが、難しい問題は表示段位以上に難しく作ってある感じがする。もっとも、この辺りの感覚は漠然としたもので、白砂が持っている段の尺度が狂っているだけかもしれない。できるのであれば、実際にいくつか問題を解いてみて、自分のレベルに合っているものかどうか確認して欲しい。

正直に言うと、次の一手形式の棋書は買うものではない……という、いやぁーなポリシーの持ち主なので(笑)、購入を勧めることはできない。一度読んでみる価値はあると思う。

作成日:2004.04.20 
次の一手 手筋

囲いの崩し方 形の急所と手筋を知る

囲いの崩し方: 次の一手問題集 形の急所と手筋を知る (将棋終盤力養成講座 5)
著者 :沼 春雄
出版社:創元社
出版日:2004-04-01
価格 :¥1,289(2024/08/31 16:43時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

次の一手形式で、美濃、矢倉、穴熊の囲いを崩す手筋を解説する。

形式としては面白く、類書もあることから判る通り需要はあるのだろう。しかし、本書に関しては「中途半端な難しさ」を感じた。難易度がバラバラで、その難しさも手筋としての難しさではなく、全体局面で解説しているがゆえの難しさなのだ。ある意味、手筋を習得するためにはいらない難解さと言える。
有段者向けというのであれば、「手筋を覚えても実戦で使えないと意味がない」という面もあるから仕方がないか……という気にもなる。しかし、手筋を習得しようという人間に対してそれ以外の部分の負担を強いるのはあまりよくないだろう。

ただ、そういう部分の難解さに目をつぶれば、囲い崩しの手筋を習得するにはもってこいの本だ。
歯ごたえがある、ということを念頭に置いて、気合を入れてから読んで欲しい。

作成日:2004.04.20 
次の一手 終盤・寄せ

5手詰ハンドブック

5手詰ハンドブック
著者 :浦野 真彦
出版社:マイナビ出版(日本将棋連盟)
出版日:2004-02-01
価格 :¥542(2024/08/31 16:01時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

5手詰めだけを200問集めた詰将棋集。
作成者はかつて”将棋界のマッチ”と言われた(笑)浦野真彦。名前だけでマッチとか呼ぶなよなぁ……

看寿賞を取っているくらいだから(短編と、確か長編でもあったはずなんだけど、忘れた)、さぞかし難しい詰将棋かと思いきや、「詰め将棋」だった。観賞用ではなくて、勉強用の詰め将棋である。
問題そのものは筋がいいというか「ちゃんとした5手詰め」なので(白砂には詰パラとかの飛び道具飛びかいまくりの詰将棋は別世界のものに見えます(笑))、慣れている人であればさくさくさくっと解けていくと思う。白砂は立ち読みで全題制覇したが、かかった時間は45分くらいだった。これでも1割くらいは「おっ」と立ち止まっているので、決して早い方ではない。

こちらのインタビュー(関西将棋会館ホームページ 別窓)で書かれているが、装丁にこだわったり、「ページをめくる前に答えが透けないように」ということで見開き4問ずつ出題としたり、かなり気をつかって作られている。装丁については、なんぼ気を使ったところで、中身が見えちゃえば「将棋の本見てるよ、キモっ」と思う人は思うだろうから、あんまり意味はないと思う(笑)。カバーかけちゃえばおんなじだし。意欲は買うけど。

昔からこの手の本っていっぱい出ていたような気がするが、「5手詰」という手数と内容にきちんとこだわって作られた本はあまりなかったと思う。白砂は基本的に詰め将棋の本は購入を薦めないのだが、これは買っても損はないのではないかな。

作成日:2004.03.10 
詰め将棋

新 谷川浩司全集 2

新谷川浩司全集 2
著者 :谷川 浩司
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2004-01-01
価格 :¥450(2024/08/31 15:28時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

谷川の棋譜を集めた本。自戦記編と実戦譜編があり、自戦記が15局、残りの44局は棋譜+手の解説といった構成になっている。

サブタイトルに「平成13年度版」とあるように、平成13年度に指された将棋が載っている。少し仕事が遅くないか? という気もするが、一応「自戦記」ということらしいので、それだけ時間がかかってしまったということだろう。
内容そのものは面白く読めた(個人的に谷川の文章は嫌いではないので)。が、タイトル戦の将棋などはあっちこっちで語られ尽くされているので、もう飽きたというかお腹いっぱいというか、うーん……やっぱり少し出版を早くした方がよかったと思う。
この本の内容をこの時期に出したとして、これはきっと谷川ファン以外には買わないよねきっと。
もう少し、できればあと半年早ければ、棋界展望といった趣がないわけではない(なんだかんだ言ったって谷川は棋界の中心にいたんだし)ので、別の需要が喚起されたと思う。

完全に「ヲタ向け」と割り切っていると思うので、売り上げの心配なんてのは野暮な話かもしれないのだが(笑)。

作成日:2004.02.10 
実戦譜集
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