村山聖名局譜
羽生と先崎という同世代の棋士が、「怪童 村山聖」の棋譜を解説した本。対談形式になっており、これはかなり作るのが大変だったのではないかなと思った。
企画自体が棋士にスポットを当てているというものなので、そういうのが好きであれば一度目を通しておくのも悪くないと思う。裏話的なものもいろいろ入っているので楽しめるだろう。
個人的には、村山企画は「おなかいっぱい」な感じがするので一度しか読んでいない。正月の藤原竜也で燃え尽きた(笑)。
羽生と先崎という同世代の棋士が、「怪童 村山聖」の棋譜を解説した本。対談形式になっており、これはかなり作るのが大変だったのではないかなと思った。
企画自体が棋士にスポットを当てているというものなので、そういうのが好きであれば一度目を通しておくのも悪くないと思う。裏話的なものもいろいろ入っているので楽しめるだろう。
個人的には、村山企画は「おなかいっぱい」な感じがするので一度しか読んでいない。正月の藤原竜也で燃え尽きた(笑)。
いわゆる普通の詰将棋とは別のルートで栄えた詰将棋のジャンルに「大道詰将棋」がある。道端で将棋盤を広げて、道行く人に詰将棋を出して解けたら商品をあげる、というものである。私は見たことがないが、10年くらい前に暴力団がらみの記事で紹介されていたのを目にしたことがある。
大道詰将棋は「手を出してもらう」という命題があるため、詰みそうで詰まない、でもちゃんと詰む問題であることが重要になってくる。もっと直接的な表現を使えば,客が引っかかってくれてしかも景品を渡す必要もない問題ということである。
様々な方法の中で一番うまくいったのは「中合」と「素抜き」であった。
例えば、この詰将棋を解いてもらいたい。答えは▲2四香△1二玉▲2三金以下の5手詰ではない。▲2四香「△2三銀合」以下の15手詰である。この△2三銀合が中合いの手筋だ。
本書では、様々な種類の大道詰将棋を持駒の種類によって分類し、その中合と素抜きのメカニズムを解説している。
これを読んでじゃあ実戦が強くなるかと言われるとそんなことはないが、一つの知識として覚えておきたいことではある。
付記:本書は『甦る秘伝大道棋』として2001年に復刻された。
何だかすっかり評論家になってしまった青野九段の評論集。
プロの実戦譜を題材にその心理状態まで分け入って詳しく解説したり、読みの本質的な部分の解剖を試みたりと、『読みの技法』青野版という感じの作りになっている。
一度に読むのはちょっと苦しいが(私は文体がちょっと……)、例えば通勤通学の合間にパラパラとめくるのには適している。将棋を指さない人たちなどには特にお薦めである。本書を読んでいると、将棋を指さなくても指している「頭」が作られていく気がする。
ちなみに、『勝負の視点』にある「サリエリに見る天才の嫉妬」は、中原と米長をモーツァルトとサリエリの関係に喩えた評論で、これは将棋ペンクラブでなにかの賞を受賞したはずである。
伊藤7段の詰将棋を、推理小説作家でもある吉村達也が解説した本。文字制限を一切考えず、解説をするためだけに解説をするので、詰将棋の魅力を存分に味わえる。こういう本がもっと出てくると、詰将棋の魅力がもっと伝わると思う。
作品の方は伊藤果らしいものばかりで、合駒やソッポ行きなどがふんだんに出てくる。感覚が破壊される危険性があるので、やりすぎは禁物かも(笑)。
将棋世界誌での丸山名人バッシングなどで物議を醸した吉村達也だが、白砂はそれ以前に推理小説作家としての吉村達也の姿勢が大きらいなので(爆)、できれば別の人に解説してほしかった(笑)。