読みもの

泣き虫しょったんの奇跡

泣き虫しょったんの奇跡 サラリーマンから将棋のプロへ
著者 :瀬川 晶司
出版社:講談社
出版日:2006-04-21
価格 :¥17(2024/09/02 12:01時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

将棋界はもとより世間に一大旋風を巻き起こした(というと大げさか)瀬川問題。これを自伝の形で綴った本。
自伝の部分にかなりの筆が割かれているので、「瀬川問題」の本とは言いがたい。少なくとも、読後感はそこにはなかった。むしろ、厳しい奨励会の内幕や、将棋ファンの熱い想いを感じるための本だろう。
おいおいゴーストかい、と思えるほど端正で読みやすい文章だった。途中で投げ出す、ということはないと保証するので、将棋ファンであればぜひ一度手にとって読んでみて欲しい。

本書に登場する渡辺健弥や遠藤正樹という名前は、実は白砂にとってもかなり懐かしい名前である。いや、覚えている苗字と一致していたらの話なんだけども。大学当時、遠藤や出戸、渡辺ケンヤというのは、学生強豪で名を轟かせていた。当時の白砂はレギュラーが取れるほど強くはなく対戦すらしていないのだが、噂には聞いていた。中学生からこんな強かったんじゃ、そりゃ強いに決まってるよなぁ(<日本語がヘン(笑))。

将棋に対する情熱を非常に感じた。「将棋倦怠期」に入っている人(笑)などは、本書を読めばまた熱い想いが復活するかもしれない。

作成日:2006.07.08 
読みもの

奇跡の一手 サラリーマン・瀬川晶司が将棋界に架けた夢の橋

奇跡の一手: サラリーマン・瀬川晶司が将棋界に架けた夢の橋
著者 :上地 隆蔵
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2006-03-01
価格 :¥96(2024/09/02 11:59時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

いっぱい出た「瀬川本」のうちの一冊。元奨励会員であり、『週刊将棋』の編集者でもある著者が書いた「瀬川事件」の顛末である。

内容としては周知のものであり、さほど目新しいものはなかったと思う。なにしろ瀬川本はほとんど同時に読んだもので(笑)、どうも印象が薄いのだ。
『瀬川晶司はなぜプロ棋士になれたのか』は、純粋に外からの目で書かれたもののように見えるし、『棋士瀬川晶司』は内部の人間がまとめた本である。本書は、図面や棋譜を一切使わないことで将棋を知らない人間に配慮しつつ、内部から優しい視線をもって書かれた本だと思う。

正直、わざわざ蔵書に加える本だとは思わない。白砂は将棋のことと将棋界のこととはイコールではない、と考えているので。瀬川事件があったことは知っていていいだろうが、そのために本を手元に置いていつでも振り返るようにしておく必要は感じない。
もちろん、将棋界も好きな人であれば、是非とも揃えておいた方がいい一冊だ。

作成日:2006.03.31 
読みもの

瀬川晶司はなぜプロ棋士になれたのか

瀬川晶司はなぜプロ棋士になれたのか
著者 :古田 靖
出版社:河出書房新社
出版日:2006-03-25
価格 :¥1(2024/08/31 18:54時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

まったく外部の目から見た瀬川事件の本、という感じ。正直、最初の感想は「誰こいつ?」というものだった(笑)。プロフィールや著書を見るに、いわゆるルポライターとかに分類されるのだろうか。
非常に事件ライクというか無味乾燥というか(←褒めてます)、よくあるビジネス本と同じような文体、体裁である。最初にドラマチックな場面を描写して、いったん最初に遡ってから時系列を辿るといった手法はよく見る。図書館に行けば336あたりに山と置いてある(という表現をして果たしてどれだけの人が判るのか大いに疑問だ(笑))。
そのため、将棋を知らない人が読むのには適している。白砂なんかは逆にちょっと「どぎつい」印象が強くてダメだった。『Number』の記事のような浸り具合、といってしまうとかえって判りづらくなるか……。

かなり取材をしていることは確かなので、将棋界マニアの方は一度目を通すことをお勧めする。

作成日:2006.03.31 
読みもの

棋士瀬川晶司 61年ぶりのプロ棋士編入試験に合格した男 サラリーマンの挑戦!

棋士瀬川晶司: サラリーマンの挑戦! 61年ぶりのプロ棋士編入試験に合格した男
著者 :日本将棋連盟書籍
出版社:マイナビ出版(日本将棋連盟)
出版日:2006-01-01
価格 :¥502(2024/08/31 16:44時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

日本将棋連盟発行の言わば「瀬川事件公式ブック」。
身内が出版しただけのことはあって、米長会長や発起人? の一人である野月、理事の森下といった面々が寄稿している。また、『将棋世界』の観戦記をまとめたものや、過去29局の実戦解説など、「将棋を知っている人へ向けての瀬川本」であることが見てとれる。
本人のインタビューなどもあるし、数ある瀬川本のうちどれを買うかとなれば、白砂は迷わず本書を推す。

まぁ、買う必要があるかと訊かれるとあれなのだが……(笑)。

作成日:2006.03.31 
その他 読みもの

振り飛車党列伝

阿部隆の大局観: 良い手悪い手普通の手
著者 :阿部 隆
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2005-10-01
価格 :¥488(2024/09/01 01:14時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

『振り飛車ワールド』の1コーナーをまとめた本。

白砂は『振り飛車ワールド』を全巻持っているのでなんの意味もない本なのだが、このインタビューは確かに「ゼニの取れる」内容だ。一冊にまとめて、広く読んでもらいたいという発想は間違っていないと思う。

本書を読めば将棋が強くなる、というわけではないが、本書を読めば将棋が指したくなる、と、思う。多分(笑)。
コピー将棋が多いだとか個性がないだとかいろいろ雑音も多いが、まだまだ個性的な棋士はたくさんいる。若手もベテランも含めて、登場したすべての棋士のファンになってしまいそうな、そんな「いい話」がいっぱい詰まっている。

作成日:2006.01.08 
読みもの
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