すぐに使える将棋の手筋 下
上巻が少し前に出ていて、その下巻。駒ごとの手筋をまとめた本だ。
執筆をしなければならない状態ならさておき、ただまとめるだけなのになんでわざわざ上下巻をこんな間隔開けて出したんだろう? と少し不思議に思った。いろいろあるんだろうねきっと。
内容は前回と同じ。というわけで評価も上巻とまったく同じにした。
上巻が読める人であればちょうどいいだろうし、上巻がダメなら下巻もダメである。
上巻が少し前に出ていて、その下巻。駒ごとの手筋をまとめた本だ。
執筆をしなければならない状態ならさておき、ただまとめるだけなのになんでわざわざ上下巻をこんな間隔開けて出したんだろう? と少し不思議に思った。いろいろあるんだろうねきっと。
内容は前回と同じ。というわけで評価も上巻とまったく同じにした。
上巻が読める人であればちょうどいいだろうし、上巻がダメなら下巻もダメである。
最近刊行を連発しているNHK将棋講座のひとつ。著者自身の実戦から、振り飛車の「さばき」を学ぼうという講座である。
元々が15分の講座ということで、できることも限られてくる。そのため、詳しく変化をいろいろ解説する──というわけにはいかないが、その代わりさばきの「心得」がなんとなく身につくような構成になっている。創元社の鈴木大介本のようだ……というと両方から怒られそうだが(笑)、イメージとしてはそんな感じである。
このシリーズ自体の装丁がどうも肌に合わないようで、白砂は少し読みづらさを感じた。この辺は以前にも書いた通りだ。白砂個人の問題であればいいのだが、ひょっとすると読みづらくなるなにかがあるのかもしれないので、できれば立ち読みで少し読んでみてほしい。杞憂に終われば全く問題ないので、その辺は各自の判断にお任せする。
内容自体は講座でやったことでもあり、自戦記が載っているようなものなので、気軽に読めると思う。こういう説明が正しいのか判らないが、基礎体力をつけるというよりは精神力を鍛える本のように感じた。そういう「雰囲気」をうまいこと表現できているところは評価したい。
駒別に手筋を紹介する本。週刊将棋に連載されていた記事を編集しなおしたものだ。
連載時には(図略)が多かったので、図面が入っただけでもありがたい(笑)。
内容は意外と高度で、基礎的な部分は『羽生の法則』などに任せて応用に徹したということなのだろう。「よく見る手筋」というよりは、「意外な手筋」を集めた感じがする。そのため、白砂くらいの棋力でも十分に面白く読める。もちろん、話のマクラとして簡単な(すぐに気づきそうな)手順のものも紹介しているので、級位者でも安心して読めるだろう。
とりあえず上巻ということで、歩香桂銀の手筋を解説。下巻は金角飛玉ということか。
今までの毎コミ手筋本というと「1項目見開き2ページ」というのが通例だったのだが、本書では「1項目4ページ(見開き2つ分)」となっている。正直言ってはじめはとまどったのだが(<なぜ?)、読み進めていくうち、個々の解説にはこれくらいのボリュームがあっても問題はない。むしろこれくらいの方がいいなぁ……と180度印象が変わってしまった(笑)。
実戦的な手筋を満載する毎コミらしい本だ。
昔に出版された『感動! 手筋術(振り飛車編)』『感動! 手筋術(居飛車編)』を合体したもの。前回の矢倉編に続いて、今度は居飛車振り飛車対抗形の手筋を紹介している。
ほんの半年前に『感動! 手筋術(振り飛車編)』を600円で買った白砂の立場は一体……(泣)。
内容は入門的なものからかなり高度なものまでいろいろ。前著と同じく、題材が古いので多少の違和感はあるかもしれない。ただ、基本的な手筋の「構造」というのはどんな形でも通用するものなので、手筋を解説するという目的でならこれでも十分だろう。
有段であれば常識という手筋も多い(というかほとんど)だろうから、そういう人は立ち読みでも十分。初段までの人なら、一度目を通して「目を養う」価値はあると思う。
矢倉の手筋を次の一手形式で紹介する本。毎コミおなじみの復刻文庫で、2冊の「手筋の達人」が1冊にまとまって出版されている。
文庫のくせに非常に分厚い。京極夏彦じゃねーんだから、とも思うが(笑)、次の一手形式だとサクサク読めるので、このくらい厚くてもいいのかもしれない。一度通しで読むだけでかなり「おなかいっぱい」になる。
内容は、定跡となっている基礎的な変化から中盤の芒洋とした局面までさまざまで、特に応用編は「ここでは手を渡すのがいい」とかかなり高度な駆け引きまで紹介されている。もっとも、現在では定跡化されているものも、逆に定跡化されて廃れて最近見ないなぁ……といった形もあるので、この辺は復刻ということで多少多めに見てほしい。
初級者にとってはこういう基本的なトコからやった方がいいと思うので、立ち読みでいいからパラパラと読んでみてほしい。最初から読んでみて、一つでも知らない変化、形が出てきたら本書は買いだ。そのあとどんどん高度な形が出現するのだから。
逆に高段者の矢倉党は、これを知らないようではまずい。タイムトライアルだと思って挑戦してみてほしい。