総合

投了の真相 プロの実戦即詰み100題

投了の真相: プロの実戦即詰み100題
著者 :日浦 市郎
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:1996-03-01
価格 :¥1,282(2024/09/01 17:29時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

これはちょっと薦められないなぁ……。

コンセプトは悪くない。
これはフォローではなく正直な感想として書いておく。
プロの投了は早すぎてよく判らない。だからその先の詰め上がりまでを解説しよう。こういう試みは素直に評価する。

しかし、それ以上のものではない。
というかそれ以下である。

どういう理由かは知らないが、投了の局面で即詰みのある局面しか紹介していないのだ。しかも、詰め手順の解説しかしていない。これでは詰め将棋の本と同じである。せっかく実戦譜を題材にしているのだから、即詰みの局面にこだわらず、寄せの教材として使ってほしかった。

立ち読みなら……とは思うが、買って自分の本棚に並べる価値はない。

作成日:2001.07.20 
終盤・寄せ

勝つための“受け” 積極果敢な「受けの達人」になろう!

勝つための受け: 積極果敢な受けの達人になろう (森内優駿流棋本ブックス)
著者 :小田切 秀人
出版社:主婦と生活社
出版日:2000-07-01
価格 :¥748(2024/09/01 00:27時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

大体においてアマチュアというものは攻めが好きで受けが苦手なものである。本書はそこに注目して、受けの手筋を集めている。

個人的には、『将棋は歩から』と大差ないように思った。改めて思ったのだが、それほど「歩の手筋」というのは大事なのだろう。
最初は部分図で、一通りの説明が済んでからは全体図で解説している。この構成もいいと思う。特に、かなりな部分でシステム化できるものについては、部分図できっちりと説明してほしいものだ。

級位者は何度も本書を読んで、受けの基本テクニックをマスターしてほしい。

作成日:2001.07.20 
手筋

失敗しない仕掛け

失敗しない仕掛け
著者 :小野 修一
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2001-04-01
価格 :¥1,320(2024/09/01 00:27時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

定跡を覚えたとしても、まったくそのとおりに相手が指してくれるとは限らない。それはそのとおりで、不利になる定跡にみすみす踏み込んでくれるなんてことはそうそうない。そうでなくても、定跡から離れる、あるいは離れる直前というのは怖い瞬間である。そこから先、頼れるのは自分だけなのだから。
そこで本書では、その「定跡での仕掛け周辺」に焦点を絞り、仕掛けの時期、開戦の方法を解説する。

初心者や初段前後の人達には特に参考になる棋書だと思う。しかし、実際に読んでみるとほとんどが定跡をなぞっているだけなので、定跡を知っている人にとってはあまり意味がない。極論をするならば、本書を読むくらいならば定跡書をもっと読め、という感じである(笑)。特色を出したいのであれば、もっと「定跡の類似形」を例にとって解説して欲しかった。
逆に言うなら、本書は定跡のエッセンスを集めた「カタログ集」でもある。そう割り切って読むのであれば、初段前後の人達にはやはりお奨めである。
4段以上の人達は、本書に載っているくらいのことは知っていて当然なので、読む価値はあまりないだろう。

作成日:2001.07.20 
仕掛け

仕掛けの時期 攻めの原点を探る

仕掛けの時機―攻めの原点を探る (1980年) (初段に挑戦する将棋シリーズ)
著者 :大内 延介
出版社:創元社
出版日:1980-06T
価格 :¥154,215(2024/08/31 16:52時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

中盤の入り口、つまり仕掛け周辺の指し手について、実例をあげながら具体的に解説している本である。形も相居飛車、対振り飛車、振り飛車とひととおりそろっていて、しかもそれぞれが豊富である。
定跡外れの形も数多くあり、また、ほとんどがプロの実戦から採ったということで、そういう意味では説得力もある。しかし……。

まず、例題がバラバラに載っている。例えば居飛車編の場合、矢倉を解説したあと角換わりに行き、再び矢倉に戻り、そして相掛かりといった感じになっている。だったら矢倉だけをまとめればいいのに、しかもできるだけ類似した形はページを近くした方がわかりやすいのに、わざとのようにバラバラにしてある。最初は手筋の種類によって分けているのかと思ったがそうでもないようだ。この辺については本当に意味がわからない。
また、「ほとんどが」プロの実戦ということだが、ちょっと疑わしい。
というのも、題材はすべて(読みやすさの都合上)先手番となっているのだが、その直前の後手の指し手が意味不明なのだ。例えば相矢倉で後手の指し手が△6二銀。形を見るに、どう考えても5三から引いた銀である。そして先手から▲3五譜△4五歩▲同銀以下つぶされるのである。どこの世界にそんな支離滅裂な指し手をするプロがいるのか。
初心者向けにわかりやすく解説する、という意図は判るのだが、「矢倉崩し」や「美濃崩し」以上に都合のいい図面が並んでいると、「ええかげんにせぃやコラ!」と言いたくなる。

加えて、あまりに手将棋の例題が多すぎる。いや、定跡をなぞっても意味がないとは思うのだが、それにしても無理がありすぎる。つかみ合い殴り合いの将棋で仕掛けの手筋を解説するというのでは、初心者にはわけがわからないんではないだろうか。

と、そういうわけで若干(もとい、かなり)点は辛めに設定してある。なによりも都合が良すぎるというのが大きなマイナス点である。
仕方ない気もするのだが……。

作成日:2001.07.20 
仕掛け

仕掛けハンドブック 実戦によく出る

実戦によく出る仕掛けハンドブック (週将ブックス)
著者 :田丸 昇
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:1987-09-01
価格 :¥107(2024/08/31 16:52時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

まえがきに「定跡を覚えたい時や忘れた時に、辞書を引くように気楽に研究できる」とあるように、完全に定跡のカタログを目指した本。しかも、局面を仕掛け周辺に絞っているので、類似形を研究しやすい。

カタログに徹しているので、読みやすく理解しやすい。類似形をいくつも出すことにより、定跡の指し手の分岐(たとえば対振り飛車の棒銀の仕掛けでの△3三桂と△4五銀など)も直観的に頭に入ってくる。狙いを絞った分、うまくまとめている感じだ。

ただ。
 古い(爆)

仕方がないことなのだが、昭和62年の本。矢倉に▲2九飛戦法が載っているような本である。
残念ながら、おそらく現在ではあまり役に立たない。

それでも、初段前後までの人には、定跡を勉強する上で「辞書」のように役に立つことは間違いない。もちろんそこから先のフォローも大事なのだが、幹となる定跡は長い年月の間さほど変わってはいない。
逆に、4段以上の人間は読む価値なし。断言(笑)

作成日:2001.07.20 
仕掛け
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