総合

谷川流寄せの法則 基礎編

谷川流寄せの法則 基礎編
著者 :谷川 浩司
出版社:マイナビ出版(日本将棋連盟)
出版日:2004-07-01
価格 :¥91(2024/09/01 11:26時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

今度は谷川が寄せの本を出した。『光速の寄せ』シリーズは歴史に残る名著だと思うが、さて本シリーズはどうなるか……。

形式としては、よくある寄せの本とそんなに変わらない。
詰めろ、必死、1手すき2手すきといった言葉の定義から、簡単な寄せの紹介、囲いの種類と特徴など、一般的な項目が並ぶ。非常に簡潔に書かれているので、カタログとして読むなら十分だろう。
ちょっと目を惹いたのが、「この局面でどの駒があれば詰むか?」という問題。
確か『将棋世界』で連載していたものの焼き直し(かそのままか)だと思うのだが、これはなかなか骨があった。しかも、当時の講座では「この局面でどの駒があれば詰むか? できるだけパターンを挙げよ」という問題になっていて、エラい高度だなぁ~と感心した記憶がある。本書では、多少優しくするためか選択式になっているが、それでも「基礎」かぁ? と思ってしまうほど高度だ。腕に覚えのある方は、このページだけでもいいから読んでみるといいだろう。

今後の方向性がいまいち判らない感はあるが、谷川が寄せの本を出す、ということに意義があると思う。
県代表レベルの本、というのも期待してみたい。いや、もし出たら出たで、白砂なんかには手に負えないけど(笑)。

作成日:2004.08.06 
終盤・寄せ

役に立つ将棋の格言99

役に立つ将棋の格言99: 見開き完結 (週将ブックス)
著者 :週刊将棋
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2004-07-01
価格 :¥356(2024/08/31 16:00時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

『金言玉言新角言』『大覇道伝説』などの流れをくむ「実戦的格言」本。

今回もまた、実戦的な格言が多く出てくる。
格言が99コもあるので、これは少し無理がないか……というものもいくつかあった。これだけの実戦的格言を取り揃えるのは大変だったろうから、その辺は察してあげるのが大人というものだろう(笑)。

大会前などに、パラパラとめくるだけで、なんとなく力がつきそうに感じる本だ。
白砂は昨日見つけてそのまま買ってきたのだが、就寝前のローテーション読書を計画している。見開き構成になっているので、数分間の読書にはもってこいだ。

作成日:2004.07.19 
大局観

寄せが見える本 応用編

寄せが見える本〈応用編〉
著者 :森 けい二
出版社:浅川書房
出版日:2004-06-02
価格 :¥1,430(2024/09/02 11:59時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

前書『寄せが見える本 基礎編』の応用編。 今回は、中段玉の寄せ方や、自玉との兼ね合いを考えた寄せを解説している。

例によって解説がふんだんにあり、読み進めていくだけでそこそこ問題も解けてしまうと思う。基礎編での知識がこちらで改めて使われているものも多く、「だから基礎は大事なんだぞ」ということもよく判る。
特に、「どの駒を渡すと危ないか」「自玉はあと何手もつか」といった、彼我の関係を確かめながら寄せるという部分をきちんと解説しているのがいい。判ってはいてもなかなかできないものだし、どうしても今までの手筋本の編集形態ではそれはかなわなかった。レイアウトの枠を取っ払い、伝えたいことを伝える方法に変更したことがここでも生きている。
実際のところ、本書に書かれているところくらいまでが身についていれば、それだけで終盤は2、3段あると思っていいだろう。それ以上の棋力の人達も、新しい手筋を知っているのではなく、既存の手筋を組み合わせたりしながら指しているだけだろうから。

できれば何度も読み返して、ここに書かれたさまざまな手筋・考え方を自分のものにして欲しい。

作成日:2004.06.10 
終盤・寄せ

寄せが見える本 基礎編

寄せが見える本 〈基礎編〉 (最強将棋レクチャーブックス (1))
著者 :森 けい二
出版社:浅川書房
出版日:2004-04-21
価格 :¥1,430(2024/09/01 08:58時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

寄せ、というよりは、必死の解説と言ってもいいと思う。
寄せのいろいろな種類を分類し、手順の解説を行った本。

進め方の手順が面白い。
よくある「問題→解答(解説)、問題→解答(解説)」という単純な形態ではなく、問題図をばばばばばっと見せてしまい、それらの解説を一気にやる、という形式になっている。
大した違いではないように思えるかもしれないが、実は大違い。ページをまとめることで、従来のような「字数の呪縛」から解き放たれ、かなり詳細な解説をすることができるのだ。僅かな形の違いによる寄せ方の変化も、一気に解説することによってスムーズに頭の中に入ってくる。
もう10年以上昔になるが、三宅正蔵という人が近代将棋付録に必死講座を書いていたことがある。ちょうど本書のような読み物形式になっていて、詳しい解説とちょっとずつ変化させた問題のおかげで、かなり必死については強くなった。本書も、級位者にとっては判りやすくためになる本になるだろう。

問題そのものはかなり簡単だが、これは「基礎編」と銘打っている以上当然だろう。むしろこれで難解だったらサギだ(笑)。
続編が出るようなので、有段者はそちらに期待しよう。

作成日:2004.05.26 
終盤・寄せ

有段者への道案内

有段者への道案内
著者 :宮崎 国夫
出版社:木本書店
出版日:2004-04-01
価格 :¥1,320(2024/08/31 16:43時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

次の一手形式で、将棋の手筋を身につけていく本。
なんだか紋切り型の説明になってしまったが、いい意味でも悪い意味でもそうとしか説明しようがない。

ページが上下に割れていて、それぞれが独立した問題になっている。「~指しこなす本」シリーズと似たような形式だ。ただ、あちらが本を逆さに持ち替えるのに対し、本書はあくまでもレイアウトとして分かれているだけ。なので、読み方としては、一度最後まで読んでまた最初に戻って……という形になるだろう。
「少しでも問題数を増やそう」という著者のサービス精神を感じるが、しかし、これはこれで見づらい気もするので、残念ながら一長一短だと思う。個人的には、その心意気に一票を投じたい。

問題そのものの質は、初段くらいの人が楽しめる程度のものになっている。タイトルに偽りはない。
ただ、作中で「○段の問題」となっているが、その段位が少し辛いと感じた。正確に言うと、簡単な問題は表示段位程度に簡単なのだが、難しい問題は表示段位以上に難しく作ってある感じがする。もっとも、この辺りの感覚は漠然としたもので、白砂が持っている段の尺度が狂っているだけかもしれない。できるのであれば、実際にいくつか問題を解いてみて、自分のレベルに合っているものかどうか確認して欲しい。

正直に言うと、次の一手形式の棋書は買うものではない……という、いやぁーなポリシーの持ち主なので(笑)、購入を勧めることはできない。一度読んでみる価値はあると思う。

作成日:2004.04.20 
次の一手 手筋
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