穴熊

最強居飛車穴熊マニュアル

最強居飛車穴熊マニュアル
著者 :佐藤 康光
出版社:マイナビ出版(日本将棋連盟)
出版日:2003-01-01
価格 :¥216(2024/08/31 15:52時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

著者が書く居飛車穴熊本としては2冊目になるのだろうか? 最強、とはまた大きく出たものだが、実際にそれだけ勝っているわけだから看板に偽りはない。
内容は居飛車穴熊対四間飛車で、最初に普通の四間飛車、そしてそのあと、メインとして藤井システム対策を載せている。

非常に良くまとまっている本で、図面も多い。ただ、個人的にはこのレイアウトはどーよ? と思う。白状すると、非常に読みづらかった。文字も変に大きいし。まぁ、立ち読みで全部読む方が悪いのだが。
初段前後から有段者まで、かなり広い範囲でカバーしていると思う。「マニュアル」と銘打つだけあって、それなりのものはある。次は「最強ミレニアムマニュアル」でも出さないかな(なんか早口言葉みたいだ)。

最後に相穴熊も少しだけ載っているが、薦められるほど詳しくもないし分量も割いていない。あって嬉しいおまけのようなものだと考えて欲しい。

作成日:2003.03.16 
穴熊

ホントに勝てる穴熊 先崎学式将棋レクチャー&トーク

ホントに勝てる穴熊 (先崎式将棋レクチャー&トーク)
著者 :先崎 学
出版社:河出書房新社
出版日:2003-02-01
価格 :¥1,430(2024/08/31 16:39時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

ホントに勝てるシリーズ第3弾。前書きを読む限り、とりあえず振り飛車編はこれで打ち止めのようである。
名前の通り、今回は穴熊。居飛車穴熊と振り飛車穴熊、それと相穴熊について書いてある。これはもう「穴熊のこと全部」と言ってもよく(例外って言えば矢倉からもぐるくらい?)、穴熊を指すのであればこれ一冊あれば大丈夫だろう。

例によって判りやすい言葉で判りやすく説明されている。場合によっては終盤の入り口までちゃんと書いてあるので、級位者が「~にて穴熊よし」からとまどうこともないだろう。また、これはシリーズ共通なのだが、指し手そのものよりも指す上での考え方を書くことに重点を置いているので、変化は少ないが指しこなすのは易しいと思う。

有段者は、全部読んでもおそらくほとんどのことは判るだろうから、各ページごとについている表題を拾ってみるといい。「金は底歩」とか、「四間飛車は攻め、三間飛車は受け」とか、なんだろうこれは? と思わせるものが多い。そうやって興味を持ったものだけ拾い読みをすると、そこそこ楽しめると思う。もちろん、著者の文章のファンであれば、迷わず最初から読むことをお勧めする(笑)。

こうなると居飛車編も楽しみになってしまうが、当人曰く「3倍大変」ということなので、実現はしてもかなり先の話かもしれない。それでも、待つ価値はあると思う。

作成日:2003.03.16 
穴熊

東大将棋ブックス 四間飛車道場 第7巻 相穴熊

四間飛車道場 第7巻 (東大将棋ブックス)
著者 :所司 和晴
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2002-10-01
価格 :¥397(2024/08/31 16:39時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

東大将棋シリーズの中でも、もっとも待ち望まれていたと思われる穴熊の本。しかも相穴熊である。あぁなんて下品な将棋(笑)。

というギャグはおいといて。
先手居飛車穴熊、後手四間穴熊という「限られた形」の解説である点は従来の東大将棋シリーズとまったく変わらない。振り飛車側が早めに△5四銀と上がり、△6二飛と攻める形が紹介されている。『これが最前線だ! 最新定跡完全ガイド』にも若干似たような形があったと記憶するが、なにしろ相穴熊の本なんでどれだけ出ていなかったことか。しかも内容は超高度(当たり前、という変化も多いんだけど)。

とりあえず穴熊党は絶対に買い。こんな下品な将棋は指さないという人は買う必要なし(笑)。

作成日:2002.10.12 
穴熊

中飛車戦法 居飛車穴熊を撃退する!

中飛車戦法: 居飛車穴熊を撃退する! (将棋必勝シリーズ)
著者 :杉本 昌隆
出版社:創元社
出版日:2002-09-01
価格 :¥9,262(2024/08/31 16:39時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

ものすごく身もフタもない感想を言ってしまうと、どこかで見たような中飛車の本。2章立てで、前半が昔の変態中飛車、後半が今の変態中飛車=ゴキゲン中飛車、という内容だ。

創元社の本の作りがこうなっている、としか言いようがないのだが、非常に変化の底がない。その代わり、図面を大きく取って初心者でもわかりやすいようにしている。徹底して上級者を切り捨てるという姿勢はこれはこれでいいのかもしれない。原田節みたいなもんである。

それでも、パラパラと読んでいると「お、この変化いいじゃん」という手がいくつかはあった。白砂が知らなかっただけなのかもしれないが(笑)。立ち読みで30分もあればひととおり目は通せるので、有段者の人も読んでみてほしい。

作成日:2002.09.10 
穴熊

将棋・穴熊戦法

将棋・穴熊戦法 (1980年)
著者 :
出版社:
出版日:
価格 :¥2,971(2024/08/31 20:58時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

昭和55年発行という古い本である。もはや古本屋か図書館でなければお目にかかることはないだろう。
穴熊、ということなのだが、くりかえすようだがなにしろ昭和55年である。一応居飛車穴熊の記述はあるものの、当時の穴熊と言えば振り飛車穴熊である。よって、居飛車穴熊対振り飛車美濃囲いはさらっとしか載っていない(むしろ掲載されているだけすごいのかもしれない)。

内容としては、振り飛車穴熊対急戦、振り飛車穴熊対持久戦(位取り)、相穴熊、相振り飛車での穴熊などである。
おすすめなのは、最後の章。
「穴熊の再認識」と題された本章では、穴熊戦法を論理的に分析している(とはいっても現在では常識の範疇だろうが)。
いわく、

  • 「穴熊は玉を固く囲うので受けの戦法と思われるかもしれないが、実は豪快に攻めるための準備であり、本質は攻めにある」
  • 「穴熊戦法の魅力はその強力な破壊力にある」
  • 「穴熊は端、上部からの桂香(+下段飛車)による攻撃に弱い」

そして、弱点を知ってしまうと、「なんだ、弱いんじゃん」ということで穴熊が嫌いになるかもしれないが、そんなことはない。弱点をきちんと知っていれば、それを受けないように気をつけるからそんなに不利にはならないはずである、と結んでいる。

なかなかに含蓄のある論理だと思う(表現は大幅に修正してます)。特に、きちんと弱点を説明し、それを受けないように気をつけようという態度がいい。なんでもかんでも穴熊よし、ではないのである。
昭和の時代に、そういう「健全な精神」で棋書が著されているというのは嬉しいことだ。木村先生の哲学の賜物なのだろうか。

作成日:2001.07.20 
穴熊
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