必殺! かまいたち戦法
言わずと知れた英春流「かまいたち」の解説書である。
このシリーズは好評だったらしく、この後も『必殺! 19手定跡』『必殺! 右四間』『英春流将棋問答』と続刊が続々出ている(この他にあと2冊出ている)。それだけ人気があるのだろうか。実際、プロにも英春流で勝ったと聞くし、これは「立派な変態戦法」だろう。
内容の方も英春流の詳しい説明がされていて悪くはないのだが、定跡講座ではなく実戦譜を使って解説しているというのが珍しい。わざわざ投了まで解説しなくてもとも思うが、逆に「~にて先手良し」でおしまいというのも不親切な気がするので、どちらがいいのかは微妙ではある。個人的にはあまり好きでない形式であるが。
また、図面の載せ方も難がある。できれば、図面は棋譜の始まりであり、棋譜の最後は次の図面であってほしい。その方が棋譜を目で追えるからである。本書ではそれが逆になって、棋譜の終わりが図面になっている。これはなんとかしてほしかった。もっとも、これについては姉妹書(?)の『公望流メリケン向飛車戦法』でもそうなっているので、出版社である三一書房の方針なのかもしれない。
もっと言うと、個人的に英春流そのものが好きではないので、なんでこの本を買ったのかがよくわからない(笑)。ただ、アマではいまだに指されている戦形ではあるので、自分なりの対抗策を確立させる意味でも読んではおきたいところだ。
私は絶対この形にはならないので、対抗策を考えたことすらないのだが(笑)。