定跡

ホントに勝てる穴熊 先崎学式将棋レクチャー&トーク

ホントに勝てる穴熊 (先崎式将棋レクチャー&トーク)
著者 :先崎 学
出版社:河出書房新社
出版日:2003-02-01
価格 :¥1,430(2024/08/31 16:39時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

ホントに勝てるシリーズ第3弾。前書きを読む限り、とりあえず振り飛車編はこれで打ち止めのようである。
名前の通り、今回は穴熊。居飛車穴熊と振り飛車穴熊、それと相穴熊について書いてある。これはもう「穴熊のこと全部」と言ってもよく(例外って言えば矢倉からもぐるくらい?)、穴熊を指すのであればこれ一冊あれば大丈夫だろう。

例によって判りやすい言葉で判りやすく説明されている。場合によっては終盤の入り口までちゃんと書いてあるので、級位者が「~にて穴熊よし」からとまどうこともないだろう。また、これはシリーズ共通なのだが、指し手そのものよりも指す上での考え方を書くことに重点を置いているので、変化は少ないが指しこなすのは易しいと思う。

有段者は、全部読んでもおそらくほとんどのことは判るだろうから、各ページごとについている表題を拾ってみるといい。「金は底歩」とか、「四間飛車は攻め、三間飛車は受け」とか、なんだろうこれは? と思わせるものが多い。そうやって興味を持ったものだけ拾い読みをすると、そこそこ楽しめると思う。もちろん、著者の文章のファンであれば、迷わず最初から読むことをお勧めする(笑)。

こうなると居飛車編も楽しみになってしまうが、当人曰く「3倍大変」ということなので、実現はしてもかなり先の話かもしれない。それでも、待つ価値はあると思う。

作成日:2003.03.16 
穴熊

鈴木流豪快中飛車の極意

鈴木流豪快中飛車の極意 (プロの将棋シリーズ 1)
著者 :鈴木 大介
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2003-02-01
価格 :¥200(2024/08/31 23:28時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

中飛車全般のことについて書いてある本だと思ったら、先手番でのゴキゲン中飛車についてだった。3手目に▲1六歩と突いてゴキゲンに構える形である。著者曰く、作ったのは近藤かもしれないけど定跡体系化したのは自分だそうで、そのために名称が「豪快中飛車」になっているのだそうだ。
基本的な形、例えば△8六歩と突いてくるだとか、△6二銀から持久戦になるだとかいう形から、△5二金右の超急戦型、△3二金の最新型まで一応は網羅してある。

かなり図面を多く割いていることもあって、白砂自身は判りやすかった。また、執筆当時の「有利になる」変化については詰みの部分まで突っ込んで書いてある部分もあり、そういう意味では役に立つとは言えるだろう。
しかし、まぁ鈴木大介である。居飛車側が有利になる肝心の変化がなかったり、少し強引な形勢判断をしている部分がないとはいえない。

それでも、初段前後でゴキゲン中飛車を指す、という人には参考になると思う。かなり深くまで突っ込んでいるので役に立つ。逆に、そういう書き方をしているので、定跡書を読むのに慣れていない人は少し辛いかもしれない。
4段もあればここに書いてあることはまぁ知っている範囲だろうが、よくまとまっているので持っていても損はないと思う。

作成日:2003.03.16 
中飛車

初段に勝つ矢倉戦法

初段に勝つ矢倉戦法 (将棋必勝シリーズ)
著者 :森下 卓
出版社:創元社
出版日:2003-02-01
価格 :¥1,430(2024/08/31 18:50時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

矢倉24手組みから始まって、3七銀戦法など基本的な矢倉戦についての解説をした本。題名の通り、定跡を深く解説するのではなく、定跡の本筋だけを紹介するような形になっている。

森下といえば『現代矢倉の○○』があるが、内容そのものはそちらで十分である。こっちの本は、創元社という出版元からも判る通り、入門編。
そのため、既に河出書房新社の本を持って読んだ、という人には必要ないと思う。あの本は難しくて……という人のための本だ。

ベースが河出書房新社のものなので、内容は本筋である。
ただし、コンセプトは先崎の「ホントに勝てる」シリーズと同じなのだが、非常に高度でもある。
題材が矢倉のためなのか、著者の森下が「正しいことを伝えるのが正しいことだ」と考えているからか、その辺は判らない。ただ、先崎本が「なんとなく指しこなしていけるようにする」というコンセプトなのに対し、本書は真っ向から矢倉の本筋を語っているような気がする。要は高段者の考え方をそのまんま書いているので、そのために高度な思想が見え隠れする内容になっている。
もちろん、指し口そのものは「入門編」なので、心配しながら読むほどではないだろうが、白砂は少し気になった。もっとも、これは振り飛車と矢倉の違いという本質的なものかもしれないので、なんとも言えないのだが。

とりあえず、初段くらいの人までなら読んで参考になると思う。有段者は必要ない。もっと他の本を読みましょう(笑)。

作成日:2003.03.16 
矢倉

ホントに勝てる振り飛車 先崎学式将棋レクチャー&トーク

ホントに勝てる振り飛車 (先崎式将棋レクチャー&トーク)
著者 :先崎 学
出版社:河出書房新社
出版日:2003-01-01
価格 :¥1,698(2024/08/31 15:06時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

『ホントに勝てる四間飛車』に続くホントに勝てるシリーズ第2弾。既に「~穴熊」が発行予定だそうで、これは初級者にやさしいシリーズ本の誕生かもしれない。
本書は三間飛車、中飛車、向かい飛車を扱っている。
どれもよくある形で、かつ既存の定跡書でさんざん語られた部分ではある。しかし、できるだけ初級者に判りやすく書こうというコンセプトで作られているせいか、非常に読みやすくかつ理解しやすい。こういうたとえがいいのかどうか判らないが、同じ道を走っているのに違う景色を見ているような感じがする。一応は有段者の白砂でもそうなので、初段以前の人は立ち読みでもいいから是非一度は読んでみて欲しい。

定跡書はどうあるべきか、というのは非常に難しい問題だと思う。「羽生の頭脳」はその一つの回答だと思うし、東大将棋本もまた一つの回答だと思う。指しこなす本シリーズもまたそうだろう。
本シリーズは、それらとはまた別の、非常に魅力ある一つの回答だと思う。

もちろん、本書を読んだだけでホントに勝てるわけではないのだが(笑)、それでも、ホントに実力がつくことだけは約束できる。

作成日:2003.02.19 
振り飛車全般

最強四間飛車マニュアル 急戦編

最強四間飛車マニュアル 急戦編
著者 :久保 利明
出版社:マイナビ出版(日本将棋連盟)
出版日:2002-12-01
価格 :¥600(2024/09/01 02:46時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

タイトル戦にも登場したことがある久保の振り飛車定跡書。
内容を急戦に絞り、先手後手それぞれの振り飛車について解説している。棒銀については別に項を設けて詳しく解説している。他の本でも棒銀についてだけやけに詳しく書いていたが、何か理由でもあるのだろうか? ひょっとして加藤一二三がきら(略。

内容はそれなりに高度だが、有段者であれば知っている変化が多い。2段とか3段の人が、改めて知識を確認するにはいい本だと思う。初段くらいまでの人は形を覚えることに重点を置いた方がいいだろう。
図面と解説が多い東大将棋本のようで、読めるのではあるか何故か見づらい。細かいことを言うとインクの濃さとか、そういうものまで気になってしまう(笑)。もっともこれは個人的なことなので、人によっては単なる言いがかりにしか聞こえないかもしれない。実際に手にとって確認してみて欲しい。
どーーーーしても本書でないといけない、という変化はないと思うので、読みにくかったらそんなに無理して読む必要はないと思う。

作成日:2003.02.19 
四間飛車
広告